内容説明
近代日本の最初の公害、足尾鉱毒問題を鋭く糾弾した田中正造の伝記的物語。正造の闘いに、人間の生き方を深く考えさせられます。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
わい
1
公害問題は、以前から石牟礼道子などで読んでいたのに、ちゃんと読んでなかった足尾銅山。先日北海道で、札幌農学校や各地の大学を作るのに、古河の金が使われたのだ、古河は公害の責任として国に金を払い、その金が使われた。鉱毒で廃村になった村人たちの移住先の一つが佐呂間町だ…という話をガイドさんから聞き、(聞き流してたけど結構覚えてるな)改めて読んでみようと、子供向けの伝記を手に取りました。…田中正造も鉱毒事件も知ってたけど、詳しくは知らず、救いのないことにぞっとしました…。現代でも刺さ話でした。2020/11/08
かしこ
1
冒頭、敵方の古河さんのものすごい生い立ちから始まってインパクトがあった。貧乏で母や継母に次々死なれ奉公先ではスゴイケチな暮らし、借金の取り立てをやらされと……こりゃ、すごい2015/12/19
吉河 / よしか
1
小学生の時に読んで彼の生き方にインスパイアされました!というのを友人に言い出せずにいる。
iwashinyan
1
児童向けとは思えない程の圧倒さで胸が震えました。小学生の頃に教科書で出逢っているのですが、当時は深く考えていなかったのでしょう。大人になった今も、もし原発のあの事故が起きていなかったら…この、身体中を貫くような…思わず拳を握りしめてしまう、どう表現すれば良いのか解らない感覚に陥ることはなかったと感じます。2011/08/04
ビシャカナ
0
明治の初めに名主として六角家に、県会議員になっても三島県令に、衆議院議員となろうとも政府に、どんな時も人々のために、不義不正を正すために、お上であろうと真っ向対決。自分が思っていた以上に苛烈な田中正造、そして自分が思っていた以上の足尾銅山による被害と、悪逆無道な政府と役人たち。そして古河市兵衛という田中正造とよく似た男が、人々を苦しめるとは、世の中の闇の深さを感じる。2015/04/14