コロナと創薬 なぜ日本の製薬企業は出遅れたのか

個数:1
紙書籍版価格
¥2,420
  • 電子書籍
  • Reader

コロナと創薬 なぜ日本の製薬企業は出遅れたのか

  • 著者名:橋本宗明【著】
  • 価格 ¥2,420(本体¥2,200)
  • 日経BP(2022/04発売)
  • ポイント 22pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784296000647

ファイル: /

内容説明

※この商品は固定レイアウトで作成されており、タブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

 「もしこれが実を結んでいたなら、日本のワクチンがCOVID-19から世界中の人々を救っていたかもしれない――そんな幻の国産ワクチン開発プロジェクトがあった。
 東京大学医科学研究所教授の石井健が2016年度から2018年度にかけて第一三共と共同で進めていたmRNAワクチンの研究開発プロジェクトがそれだ。」(本書第2章「幻の国産mRNAワクチン・プロジェクト)から)
 感染者数4億9700万人、死者617万人(2022年4月10日現在)の新型コロナウイルスのパンデミックは終息する気配が見えない。切り札のワクチンはファイザー・ビオンテック連合とモデルナに依存し、治療薬でもメルクなどが先行している。ワクチン、治療薬とも日本メーカーの存在感は薄い。 
 こうした状況はなぜ生まれたのか。バイオテクノロジーと医薬品産業を長年取材してきた著者は、モダリティのイノベーションに日本の製薬企業が乗り遅れたことが原因と見る。「低分子化合物」「ペプチド」「抗体」「核酸」など治療に用いる物質の種類の違いを「モダリティ」という。その世界の潮流の変化についていけなかったのだ。日本企業の創薬力については、第2部で検証する。
ワクチン「1日100万回接種」を指示した菅義偉前首相のインタビューを収録。

目次

プロローグ
  モダリティ革新に乗り遅れた日本の製薬産業
第1部 創薬の時代――新型コロナウイルスと日本
 第1章 厚生労働省の罪と罰
    ――「ワクチン敗戦」を総括する
 第2章 幻の国産mRNAワクチン・プロジェクト
■コラム 菅義偉前総理大臣インタビュー
      非常時は国内だけの視点では克服できない
 第3章 ワクチンとモダリティ
     ――イノベーションの大波にどう立ち向かうか
 第4章 新型コロナ治療薬へのチャレンジ
■コラム 製薬会社のルーツは江戸時代の商人ギルド
  第5章 創薬新時代とCOVID-19   
第2部 日本の創薬イノベーション
 第6章 血友病の治療を大きく変えた
    中外製薬の「ヘムライブラ」
 第7章 異例のスピード認可を受けた
  第一三共のがん治療薬「エンハーツ」
 第8章 協和キリン初のブロックバスターとなるか、
    骨疾患治療薬「クリースビータ」
  第9章 塩野義製薬がものにした
  開発困難な抗菌薬「フェトロージャ」
エピローグ  ワクチン開発の司令塔がスタート