内容説明
”モテさせ屋”をしながら飄々と生きていた青年が巻き込まれた、殺伐とした計画を描く「悪魔」。登山客が突然消えるという伝説がある悪魔の地点――ガイドと一緒に訪れた男が恐ろしいものを目撃する「爪のない男」。ガラパゴス諸島で採取した化石が思わぬ騒動を巻き起こす「枯れた枝」など、円熟した筆致で綴られる小説と、幽霊屋敷や実在の事件やサド侯爵をめぐるエッセイを収録。著者の興味の幅広さがうかがえる、ミステリ・ホラー風味のある作品を集めた魅力的な作品集!日下三蔵氏による、オリジナルアンソロジー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
活字の旅遊人
46
二部構成になっているが、前半は講談社文庫の『ユーモア小説集』(三分冊)に入っている作品も多く、既読感強し。再読でももちろん面白い。「詐欺師」「姉の秘密」「気の弱い男」「枯れた枝」あたりはやはり好き。オチがないような作品には特に悲しみ、虚しさを感じる。そこが魅力だよね。PARTⅡはエッセイだが、「サド公爵の犯罪」は小説仕立て。そこに遠藤自身の研究成果を織り込む。三島由紀夫をどのくらい意識しているのだろう、と気になる。こちらの方が分かりやすい。短編も十分読ませる遠藤周作。いまだに新刊が出るのも納得だ。2023/12/06
くさてる
27
怪奇小説集の三作目をいちばん最初に読んでしまった。というわけで、怪奇というよりは後味の悪い話、厭な話が多く、傑作だからこそ消耗してしまった。そういう話がお好きなひとにはぜひ。2022/08/03
ちょん
19
表紙が気持ち悪すぎて思わず購入。遠藤周作さん楽しめました✨「尺八の音」(だったかな?)がすごく好き。人のために死んだ神父と殺人を犯し自分のために死ぬことになる死刑囚の対比がなんだか凄まじかったです。2025/03/12
まさ☆( ^ω^ )♬
12
怪奇小説集の第3段。怪奇というよりサスペンス、ミステリという感じの話が主だったと思う。むしろイヤミスに近いかも。いや〜な感じの話はどうも苦手。昭和の雰囲気もあまり好きではないなあ。2024/04/12
ぷるぷる
8
怪奇小説集3冊目は新たな短編の寄せ集め。番外編と言ったところなんでしょう。良く出来たアンソロジーで最初と最後の話が同じ出だしなのが制作の裏を覗けたようで面白いです。流石にもう怪奇小説とは呼べないような話を多いですが面白いので問題ないです。表題作の仄かな怖さは印象的ですが先生酔ってたんじゃないですか?で済んでしまいそうです。その他昭和のサラリーマンを描いた作品が多くて年寄りとしては懐かしいが流石に今読むとキツイ。当時は浮気は普通の嗜みだったんですね。後半の仏文学評論もマルキ・ド・サドの話は面白いです。2022/07/07
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