内容説明
「優生法」としての優生保護法を検証する。「公共の福祉」の名のもとに、戦後民主主義社会において48年間、優生思想を体現した法律が存在していた。「生まれては困る子ども」を産ませず、「子どもを持ってはいけない人」を峻別した優生保護法の歴史を解読する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nobu
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副題に「優生保護法の史的検証」とあるように、戦前からの優生保護法の成立過程を資料から読み解いて現在の状況まで丁寧に検証されている。国会答弁や役所の資料の引用が多く読み進めていくには困難な部分もあるが、その分だけ資料としての価値はある。優生保護法が拡大解釈されて運用された事例など驚愕した部分もある。著者がハンセン病の研究もされているので、ハンセン病との関連の著述も詳しい。ハンセン病と比して、その検証作業や保障が遅れている部分についても理解が出来た。この問題は決して終わっていないことが理解できた。2021/09/29
Ryuji Saito
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2024年56冊目。2024/09/19