内容説明
母一人子一人で育った真子は、夫・康生の転勤に従い、絵本の出版社を退職し、大分で暮らしている。優しい両親となり、理想の家族を作りたいと思っていた二人は、子どもを待ち望んでいたはずだった。が、ある日声をかけてきた男子高校生・高木と知り合った真子は――。様々な思いを抱え、自分の本当の幸せに辿り着くまでを描く、巡り会いと再生の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
34
夫・康生の転勤に従って絵本の出版社を退職し、大分で暮らす真子。夫ともに理想の家族を作りたいと思っていた彼女が、ある日男子高校生・高木に声を掛けられる巡り会いと再生の物語。優しい親となり、子どもを待ち望んでいたはずだった真子が秘めている矛盾した思い。彼女が出会い様々なことを話すようになった高校生高木との時間。彼女がずっと抱えていた複雑な想いは、様々な人たちとの出会いからその形を明確にしていって、だからこそしっかりと向き合って、それまでの葛藤を乗り越えてみせたその結末はとても優しくて心に響くものがありました。2022/02/16
リク@ぼっち党員
7
人は誰でも幸せを求める権利がある。それはもちろん他人に迷惑をかけない範囲でのことだが、わがままを突き通して誰にも迷惑をかけずに生きるなんて不可能。だからこそ家族というものがあるのかなと。最大約数的な幸せではなく、思い描いた自分だけの理想像。それを叶える手助けしてくれる相手と一緒になれたなら、そんな幸せなことはない。温かく優しい物語だった。2022/03/17
leo18
6
家族とは幸せとはを問いかけるハートウォーミングストーリー。登場人物に裏がありそうで不穏な展開を疑ってかかったけど、まるで優しい世界で良かった。希望ある物語。2022/03/08
てつこ
2
初読み作家さん!!こんな都合の良い繋がり…あるのかな⁈と思ったけれど、繋がりの連鎖を作るとはこういうことかもしれないな…と思わずにはいられない。日常やその想いを大切にしてる姿が描かれていて…反省がてら思わず己を振り返る… また家族の在り方に一石を投じてるのか⁈と思いつつ、家族と幸せを絡めながら、幸せとは自分の中にあり、この題名なのかと、腑に落ちた。また他の本も読んでみたい。2022/03/31
wankousan
1
人それぞれ、様々な形の幸せがあるのだという事。他人からは可哀想と思われていても本人が必ずそう思ってない、むしろ楽しく過ごしているという事もある。逆の場合も多々ある。受け止め方、辛い事でも上手にかわしながら少しでも自分なりの幸せを見つけ出すのが大事なんだなぁ~と読み終えた後、思った。2022/07/05