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内容説明
弾く人も聴く人も、科学の視点で音楽を楽しもう!
ピアノ、バイオリン、トランペット、マリンバ……「魅惑の響き」はどう作られるのか?
楽器の個性を生み出す「倍音」とは?
音色を美しくする「共鳴」とは?
バイオリンの最重要パーツ「魂柱」とは?
楽器の素晴らしさを引き出すコンサートホールの条件は?
そして、プロが考える「最高の楽器」とは?
フランスで最も栄誉ある音楽勲章を最年少受章した著者が楽器の秘密を解き明かす!
〈もくじ〉
プレリュード──音楽は「五線譜上のサイエンス」
第1楽章 作曲の「かけ算」を支える楽器たち──楽器には5種類ある
第2楽章 楽器の個性は「倍音」で決まる──楽器が奏でる「音」の科学1
第3楽章 楽器の音色は「共鳴」が美しくする──楽器が奏でる「音」の科学2
第4楽章 「楽器の最高性能」を引き出す空間とは?──コンサートホールの音響科学
第5楽章 演奏の極意──世界的ソリスト10人が教えるプロの楽器論
※本書は、1979年刊行のブルーバックス『楽器の科学──角笛からシンセサイザーまで』(橋本尚著)とは内容が異なります。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
105
前著の「作曲の科学」が、今まで読んだブルーバックスで最悪の酷い内容だったので躊躇したが、この本は大丈夫。私は管楽器の知識が全くないから、その方面の記述は参考になった。リコーダーが音を出す原理は、エッジという窓によって生み出されたカルマン渦だったと知ったのも収穫。コンサートホールの音響科学の記述も豊富。最終章で複数の演奏家へのインタビューが掲載されているが、「コンサートホールで印象に残っている最高の(最悪の)ものは?」という質問に、殆ど全ての演奏家が「酷いホール」の経験ばかり語っているのには笑ってしまう。2022/06/23
kayak-gohan
19
さまざまな楽器から生み出される音色の構造としくみを物理学の立場から分析している。音色の二つの特性とされるのが倍音と振幅包絡であることの理論的説明がなされていて体系的に理解できた。また、楽器が音を出し増幅させるメカニズムについての解説も分かりやすい。実際のところ、自分が初見ではこれらを意識して演奏することはまずない。しかしながら、ひととおり弾けるようになってから、曲としての完成度を上げる、すなわち美しい音色にしていく段階では念頭に入れておく必要があると感じた。譜面台の脇に置いて折々に読み返す価値がある著作。2023/04/06
Fondsaule
19
★★★☆☆ 楽器のことだけじゃなくて、ホールのことまで教えてくれる。2022/09/18
ひろみ
18
音や周波数の理屈を全く知らずに音楽をやっているので、難しくて理解できない部分もありながら、実感とも結びついて、また新たな事実を知って面白かったです。 楽器によって倍音の数が違ったり、奇数または偶数の倍音が多い楽器があったりするんですね!チェロはどうなんだろう。 同じ本番に出ても、経験する音が違うことがあります。そういうことについても色々書かれていて、そう、そうー!と思いながら読めました。ホールの響きは計算しきれないものなんですね。なんだかますます音楽をすることが楽しみになりました。2023/06/21
ホシ
17
仕事の本を読むべきなのに、昨年、20年ぶりにギターにハマってしまい音楽理論の本を読みたいと思っていたところ本書を発見。初めてギターに触った時は理論的な事にはあまり関心がなかったのですが、やはり理論は学ぶべきだと痛感した次第です。恥ずかしながら私、ハーモニクスとは何かも理解していなかった;;パラ読みの時は「難しそう」と思ったのですが、初学者でも分かりやすくて良いです。楽器のみならずコンサートホールの音響学的理論についても解説されていて良い。プロの音楽家にとっても5章は参考になるかもしれません。2024/01/14