内容説明
伯爵令嬢ロロナ・リュースが事故死した。その知らせが舞い込んだのは、彼女が婚約者である王太子に婚約破棄を告げられた翌日のことだった。妹を虐げたなどといわれなき罪で糾弾されながら、その咎めをあっさり受け入れたロロナ。彼女は郊外の街道で横転した馬車の中、痛ましくも顔の潰れた遺体となって発見されたという。その死を知ったロロナの妹は喜んだ。「これで王太子は自分のもの」と。王太子は笑った。「もっと早く死んでくれればよかったのに」と。しかし、彼らは知らなかった。ロロナの死がもたらすものは、幸運だけではないということを……。Web 連載の本編に加え、「彼ら」のその後を描く書き下ろし番外編収録！ ※電子版は単行本をもとに編集しています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ホシナーたかはし
16
ネット版を再読しようとしたら、書籍化に伴い外されていたので購読。王族を抑え込むための貴族院・浮気を防ぐための教会て設定は、最近の婚約破棄ものとしてはしっかりしていて良かった。ただ書籍化に伴い加筆した二段目のオチは、私的には蛇足でした。2022/05/01
T
13
伯爵令嬢ロロナ・リュースが事故死した。その知らせを聞いて悲しむ者もいれば歓喜する者もいる。しかしその知らせは歓喜した者たちにとって幸福を意味するものではなかった。これは残された人々の物語。この物語の主人公はロロナにあらず。真の主人公は彼女と関わりの合った人々。彼女のことを好ましく思っていた者とそうではない者。各人の視点で書かれた物語で両立場にいた人たちの明暗がはっきりとわかって面白かったです。また、当初はロロナが裏で暗躍するかと思いきやそんなことがなかったというのも珍しくて面白かったです。2022/08/29
tomoaoso
8
主人公が死んで、残された人々の物語。 あらすじを読んだ時「ダーク系のざまあ話」と思っていたけど、ミステリー要素も少しあるかな？ 主人公の死の謎が明かされて行く所がすごく面白かった。 1冊でまとまっていて作者の他の作品も読んでみたい。2022/05/21
あきら
4
電子書籍。展開としては個性的だけど、ヒロインほぼ寝てるだけって…なんか物足りない。いい子ちゃんすぎて。アルとの過去とかちゃんと接点があったのはいいんだけど、結局ロロナはひとりでそれ以上悪くならないよう頑張ってただけで。自分ではなんの解決もしてないってあたりが。妹も結局は自業自得ではあったけど幸せそうに暮らせているようでよかったけど、ロロナがもっと早い段階で破産するなりなんなりした方がよかったのでは？2022/04/23
pincle
3
ヒロインが婚約破棄された翌日に事故死した後の彼女の周囲の人たちのその後。破滅とタイトルにあるけど改心した人もいる。タイトル的にそうだろうとは思っていたけど実は…のところ(ヒーローの正体ではない)が意外だった。ラストが少し残念な気がする。2023/07/04
