内容説明
かつては「多重人格障害」と呼ばれた病は,誤解を招く用語であるとして現在の世界的な診断基準では診断名として「解離性同一性障害」(略称:DID)と呼ばれていますが,その性質からいまだに非常に多くの誤解を持たれがちであると言えるでしょう。本書は,解離性同一性障害の豊富な臨床経験をもつ著者らが,当事者やご家族のために,主人格や人格交代などの専門用語を使いながらも,事例を交え,時には脳のメカニズムにも触れながらわかりやすく解説しています。解離性障害の患者さんにこれから出会う方々や,これからどのように治療していこうかと思案されている治療者の方々にも役に立つでしょう。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひろか
9
先般、DIDのドキュメンタリーをしていた。本書の著者の一人もそこに登場し、もう一人、精神科医が登場していた。もう一人の方が、前者に対して批判的なコメントをしている文章を読むことがあった。どこをゴールにするか、つまり、人格の統合を目指すかどうか、であるが、本書を読むと、前者の方に共感するかなー。わかりにくい記載ですみません。2022/04/25
in medio tutissimus ibis.
3
心が複数あるという大づかみな所と、その結果何が起こり何が問題となるかという細部の情報は豊富なのだけれど、その定義とか機序とかは曖昧なままなので困惑が勝った。たとえば統合失調症とは違うとは頻繁に言及されるけれど、それぞれどう違うのか。一人に心が一つ、というのが社会や精神分析の基本なので上手く取り扱えないため、当人や周囲や治療者の理解がなかなか得られない問題が大きく、逆にそれえ得られれば実は人格が複数あること自体はさほど問題ではない、らしい。強いて言えば破滅的な黒幕人格とかトラウマの所在が分かりづらい事か。2025/05/16
姫宮
2
とてもタメになる本だった! 事例と併せて説明されてる部分が多くてわかりやすかったね。 解離とか人格の用語とかはあまり難しくなく、浅く触れられる感じ。 でもちょこちょこ難しい。2025/08/25
ソーシャ
1
解離性障害治療の大家の先生とお弟子さんたちによる、解離性同一性障害(DID)についての基礎知識と心理療法についての解説書。文章がわかりやすく、事例を出しながら丁寧に解説してくれるため、一般の人でも頑張れば読める本です。(座談会の議論の内容は高度ですけど)家庭的な背景の問題や、トラウマ臨床についても書かれていて、他の分野にも応用が効くのがいいですね。2023/06/25
とも
1
解離性障害の中でも、特に解離性同一性障害について書かれた本。平易な文章で分かりやすく、当事者やその家族向き。症例が多いので、内容がより具体的な印象。治療のゴールを統合にするのかしないのか、みたいな議論が中々興味深かった。個人的には付録が面白かった。2022/06/07
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