内容説明
トンボ返りの名人が坂東三津五郎の舞台で大失態を演じてしまう。その理由とは……(「蔦と幹」)。頼母子講に絡んだいやがらせ事件の裏には……(「頼もしい男」)。二枚目で生意気な人気役者が、茶店の娘に惚れてしまい……(「惚れた弱み」)。人気狂言作者並木五瓶の弟子・拍子郎は、遭遇する様々な事件の真相を次々と明らかにしていく――。人間の運命を優しく鮮やかに描き切る、全五篇を収録。捕物帳の傑作シリーズ、待望の第四弾!(解説・末國善己)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaoru
39
江戸時代のうんちくと食べ物、そしてミステリーとこのシリーズの良さが詰まった安定の面白さ。また、拍子郎の悩みとリンクする事件が起きたり、拍子郎がある決断を迫らたりと、前作からつながる本筋にも動きが。2017/10/27
アキ・ラメーテ@家捨亭半為飯
29
上方から来た人気狂言作者並木五瓶の弟子、拍子郎が江戸の町で見掛けた変わった出来事(事件)を師匠のために集める種取帖シリーズ4作目。このシリーズのおもしろさは芝居町の人々の様子や江戸時代の芝居小屋の楽屋裏を覗き見するような楽しさ、メインの登場人物たちのキャラクターの良さ、もちろん、捕物帖的な拍子郎の事件の推理がある。おあさと拍子郎の仲が、もどかしい!!2015/02/11
タツ フカガワ
12
1作目「一の富」から見ると拍子郞、4作目では結構頼もしくなりました。その成長ぶりとおあさ坊との関係は、藤沢周平「獄医立花登手控え」シリーズを思い浮かべました。それに今回も美味しい料理が紹介されます。なかでも、酢ではなく煎り酒を使った鯵の沖なますは、本気で作ってみようかと思ったほど。拍子郞の出自や、おあさ坊と拍子郞の行方など、この続きはいつ出るのだろうかしらん。2017/09/04
演習家康くん
9
松井今朝子さんの連続物小説。数ある松井今朝子作品の中で僕的にはとても読みやすくて面白い作品。ただ四巻が出るまでにかなり間が空いたので少々忘れている所も。拍さんもおあさちゃんもお互いが諦めて、それでいて諦められないジレンマがあり。そこを師匠の五瓶夫婦は取持とうとして・・・。なんだか歯車がかみ合わない。拍サンは芝居町を出れば同心「筧」の弟で、兄は自分のアトを弟に継がせたいし、おあさちゃんは家に戻れば一人娘で婿をとらなければいけない立場だし。この恋は一体いつまで焦れるのか。表題作「四文屋」と併せて5編収録。2013/04/11
みい
9
とってもお久しぶりだったので、筧の兄上が出てきたときに、「ああ、そうだった。養子問題があったんだ。」とか、思い出しながら読みました。謎解きよりも、丁寧に描かれる江戸の町や生活の様子を楽しみながら読みました。宮部みゆきさんや西條奈加さんの描く江戸も好きなのですが、松井今朝子さんの江戸は、吉原も芝居町も匂いや音まで感じさせてくれます。今回は、頼母子講のお話と札付きのお話が特に印象に残りました。ヒョウさんとおあさちゃんはしばらくこのままでしょうか。次巻が待ち遠しいです。 2013/02/20
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