新潮文庫<br> 八本目の槍(新潮文庫)

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新潮文庫
八本目の槍(新潮文庫)

  • 著者名:今村翔吾【著】
  • 価格 ¥935(本体¥850)
  • 新潮社(2022/04発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784101039411

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内容説明

石田三成とは、何者だったのか。加藤清正、片桐且元、福島正則ら盟友「七本槍」だけが知る真の姿とは……。「戦を止める方策」や「泰平の世の武士のあるべき姿」を考え、「女も働く世」を予見し、徳川家に途方もない〈経済戦〉を仕掛けようとした男。誰よりも、新しい世を望み、理と友情を信じ、この国の形を思い続けた熱き武将を、感銘深く描き出す正統派歴史小説。吉川英治文学新人賞受賞。(解説・縄田一男)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

W-G

396
構成としては、連作短編形式となっており、他の本と並行で読むのに最適。神算鬼謀という言葉がぴったりの石田三成像に好感は持てる。その為ではあるが、都合の悪い史実はカットされたり、かなりマイルドに触れられ、詳しい人が読むと違和感が残るかも。ただ、三成が関ヶ原に臨んだ理由づけが、滅茶苦茶に独創的でユニーク。この着想はすごいと思った。章ごとに見ると、助右衛門と権平の話が個人的ベスト。私が歳をとったということもあるが、挫折を経た生き様に強く共感してしまう。佐吉が権平に「笑うな」と語気を荒げる場面がすごく好き。2022/06/22

パトラッシュ

236
賤ケ岳の七本槍といえば豊臣家中でも武闘派の代表格とされてきた。しかし武勲を立てればよかった若き日々は去り、それぞれが組織人として薄汚れた大人の世界に足を踏み入れると、気の合わない官僚派の代表格だった石田三成が未来を冷静に見つめる理想主義者だったことがわかってくる。とりわけ対立していたはずの福島正則が、三成が命懸けで守ろうとした豊臣家が淀君と大野治長に乗っ取られ変質していたと悟り愕然とする結末は苦く哀しい。関が原と元和偃武へ向かう結末がわかっている物語ながら、従来にない視点で読ませてしまう練達の筆が見事だ。2022/06/13

岡本

171
Kindle。三成と七本槍の印象が変わる一冊。それぞれの章で秀吉小姓時代から晩年が描かれており、七本槍それぞれから三成の策を知る楽しさがある。どの人物も魅力ある人物として描かれており、著者の他作品も読んでみたくなった。2023/09/20

のり

160
石田三成スゲェ〜。今村翔吾スゲェ〜。賤ヶ岳の戦いで目覚ましい活躍をした「秀吉」の小姓7人。その武功により賤ヶ岳の七本槍と呼ばれるようになったが、「佐吉(三成)」は入らなかったが、彼等との「」出会いから一生を終えるまでには紆余曲折があった。政事に関しては佐吉を超える者は誰一人といない。先々の事まで視野に入れての戦略も舌を巻く。余計な口数を叩かない分、誤解をされる事も多々。同じ釜の飯を食べていたからこその信頼と反発。豊臣家を想う忠義に頭が下がるし、七本槍への想いに打たれた。2022/09/20

ちびbookworm

152
★4.5.各話、各七本槍が主人公の物語が進行する。石田三成は?というと、彼らの眼から八本目の槍である三成像が透けて見えてくる◆有名な者は、熊本城を築城した「武断派」の加藤清正、虎之助。彼以外ほぼ無名の6人の物語も紡がれるのだが、それが虎之助以上に面白い◆今でいう、会社の同期8人。会社の成長と共に、大出世した者、変わらない者、軋轢がある者等、様々◆同期8人、という目で「関ヶ原」「大坂の陣」を見返すとすれば、「なぜ、この結果(西軍東軍)になったのか?」も知りたいし、史実の隙間の青春群像も鮮やかに脳裏に浮かぶ2023/02/04

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