ギリヤーク尼ヶ崎という生き方:91歳の大道芸人

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ギリヤーク尼ヶ崎という生き方:91歳の大道芸人

  • 著者名:後藤豪
  • 価格 ¥1,980(本体¥1,800)
  • 草思社(2022/04発売)
  • 盛夏を彩る!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~7/28)
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  • ISBN:9784794225719

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内容説明

「投げ銭」に支えられて半世紀――。
万策尽きて38歳で路上に立ってから今日まで、
唯一無二の存在感で観衆を魅了しつづける
「伝説の大道芸人」の不器用でひたむきな軌跡をたどる。

やってきたことはシンプルだ。
屋外で公演をする場所を決める。
しかし、無許可の場合が多く、警察に見つかったら踊れる保証はない。
運よく踊れたとしても、客は通りすがりの人たちだ。
まず、立ち止まってくれるか。さらには「投げ銭」をもらえるか……。
その繰り返しだったが、投げ銭を糧にするのは予測不能な面が多く、
不安定な生き方だった。なんとかここまでこられたのはなぜか。
それは、ギリヤークさんの人となりによる部分が大きいと感じる。
……「知る人ぞ知る」の典型ともいえるギリヤークさんは、
多くの人の支えがあって現在にいたっている。その人間的魅力とはなんなのか。
この本は、「ギリヤーク尼ヶ崎という生き方」を探る旅である。
(本書「はじめに」より)


取材の終盤、私は一気に時代を70年近くくだり、ギリヤークさんの現在について話を振ってみた。
──ギリヤークさんは今、悩んでいることってありますか。
「まだ、やりたいことがたくさんあるんだよね」
──もっと踊りたいですか。
「踊りたいんだけどね。気力が衰えている」
──どういうところで感じますか。
「90歳になってね、90歳という年齢が怖いですね。89 歳あたりだとわりとね、まだ89
歳って余裕ではないが、『89歳か……』って感じだけど、90 歳になってゾクっとした」
──ゾクっとした?
「いよいよ油断できないなって。本当の真剣勝負の世界に入ってきた。選んだ仕事を確実にものにする」
 じつに神妙な口調だった。
(本書「第1章 90代」より)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

つちのこ

31
生い立ちから大道芸人として生きていく過程を世相を織り込みながら、ギリヤーク本人や交流がある周辺の人々へのインタビューを中心にまとめている。著者の突っ込みが甘いのか、引き出した答えは核心を突けずに浅いのが残念。なぜ生涯現役として踊ることにこだわるのか…それは本人にしか分からないだろう。本作を読んでからYouTubeを見たが、1990年代の圧倒的なキレがあるパフォーマンスに驚き、93歳になったこの夏の路上公演の姿に心を打たれ、止めどなく涙が溢れた。そこにあったのは、痛いほど伝わる死ぬまで踊り続ける覚悟である。2023/10/20

あじ

27
大道芸人ではない、ギリヤークさん一個人に伴走する目線で読みました。給料ではなく投げ銭で生きていく選択の本質が、聞き手によってあぶり出されいたように思います。五年前、投げ銭を用意して円陣に溶け込んだ私の想いは、純粋に昇華したことを感じ取りました。◆ギリヤークさんのお父様が秋田でヒットさせた“ホームラン焼き”は、根室のそれと繋がりがあるのだろうか?2022/05/07

Shimaneko

11
昔々の80年代後半、著者いわく「最盛期」だった頃の踊りを観たことがある。知り合いの店のオープニング・イべントだったので、超かぶりつきの近さだったけど、自分の母親と同い年だったとは夢にも思わず。しかも、いまだ現役と知り更にびっくり。ただ、キャッチーなタイトルとは裏腹に、ルポとしてはイマイチ散漫な出来で読み辛かった。特に前半、いまや後期高齢者となった取材対象の言葉を、そのまま断片的に羅列されても読まされるほうはちょっとしんどい。著者略歴に元・新聞社の社会部記者とあり、なるほどねといろいろ納得。2022/08/19

門哉 彗遙

3
名前だけは見たことがあるだけの人だったので、どんなかたなのかほとんど全く知らない状態でこの本を読んだ。大道芸人だけでよくぞこのお歳まで生きてこられたことに驚愕した。まさに職業というより「生き方」だったんだ。一度で良いからナマの大道芸を観たかった。そんな機会がなかったことがとても残念だ。2022/06/10

チェアー

3
ギリヤークの一代記。彼の自分語りはいま記録しておかないといけないこと。記録として貴重。もうこんな投げ銭だけで生きていく大道芸人は現れないだろう。ギリヤークを知ったのは「マルサの女」だった。そういえば、「タンポポ」にも出たいたのか。あのグルメな乞食ね。なるほど。 構成や文章は悪い。年が変わるたびに年表から引き写したような「こんなことが起きた年」というのは不要。というか、全体の印象を悪くしている。物語としてはとても読めた文章ではない。 2022/04/22

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