岩波ブックレット<br> ホロコーストを次世代に伝える - アウシュヴィッツ・ミュージアムのガイドとして

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岩波ブックレット
ホロコーストを次世代に伝える - アウシュヴィッツ・ミュージアムのガイドとして

  • 著者名:中谷剛
  • 価格 ¥638(本体¥580)
  • 岩波書店(2022/04発売)
  • 夏の総決算!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍(~8/31)
  • ポイント 150pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784000094108

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内容説明

ナチス・ドイツにより110万人以上の人びとが殺されたアウシュヴィッツ強制収容所.その跡地に建つミュージアムは,1947年の創立から現在に至るまで一貫してホロコーストの歴史を伝達してきた.唯一の日本語公認ガイドである著者が,日々の活動や見学者たちとの対話を通して,今の時代に歴史を伝達することの意味を考える.

目次

プロローグ┴I アウシュヴィッツ・ミュージアムの道のり┴アウシュヴィッツ強制収容所からミュージアムへ/体験者からの伝達/東西冷戦のなかで/東欧の自由・民主化を経て/記憶の風化とその対策/ローマ法王訪問と欧州連合の拡大┴II ガイドとしてホロコーストと向き合う┴戦争を知らない世代からの伝達/歴史学習のための戦争遺産/フィールドワークのための戦争遺産/日本人の見学者たち/ひめゆり学徒の方々との出会い/私とポーランドとの出会い/日本人からの伝達┴エピローグ┴1 「個人」と「社会」のあいだ┴「関係性の個人化」が起きている/届かない社会要因論/「関係的な生きづらさ」┴2 不登校からみる「関係的な生きづらさ」┴「理由なく学校に行かない子ども」が問いかけるもの/長期欠席出現率の変化/むしろ「過剰」な社会性┴3 なぜ「私たち」は「彼ら」を聞けないのか┴「社会のせい」と「自己責任」のあいだ/「生きづらさ」をめぐる六つの語り/「関係的な生きづらさ」を理解する立場の不在/「自己選択・自己責任」という神話┴4 「わたし」のポジションから考える┴生きづらいのは誰か/「関係」で考えるメリット・デメリット/「選べない出会い」/「わたし」の話(「むずかしい子ども」/不登校のころ/不登校の「研究」へ/新米の「教師」「母親」として)┴引用・参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

nico

36
旅行に向けて読了。中谷さんの思いや経験が詰まった1冊だった。入場料が無料なのは、「暮石のない墓地である」との配慮からと分かって納得。ホロコーストという悲劇につい目を奪われてしまうけれど、現実は生還したユダヤ人たちを欧州人が皆歓迎したわけではないこと。ポーランドですらユダヤ人を数百人まとめて焼き殺す事件があったこと。そうした人間の残酷さ、弱さを改めて考えさせられた。日本も中国・韓国との関係が危うくて、歴史っていつまで謝罪し、どの世代まで賠償し続けなきゃいけないんだろうと、正直げんなりした気持ちになるけれど→2019/04/09

Nobuko Hashimoto

21
著者はアウシュヴィッツ・ミュージアムの公式ガイド。アウシュヴィッツの収容所跡そのものの説明もあるが、むしろ戦後生まれの日本人が距離的にも関係性においても離れた地で戦争遺産の案内をする意味と意義について語る部分が印象深く、共感する。中谷氏による、より詳細な案内書もあるので、そちらも続いて読みたい。そして、そう遠くないうちに中谷氏に現地を案内していただきたいと思っている。2016/09/14

ののまる

19
「君たちに戦争責任はない。でもそれを繰り返さない責任はある」(ドイツからの若い見学者に)2018/12/25

やん

13
アウシュビッツ博物館の公式ガイドとして20年以上活動してきた中谷さんのことを新聞のインタビュー記事で知って本書を読んでみた。出版は13年前だが、エピローグ前の一節を読んでドキッとした。「多数決の道理で物事が進む民主社会において少数派の人権を尊重することは基本条件だが、そんな常識を踏み潰すエゴの瞬間が、追い込まれていらいらした時や不安になった時の私たちの社会にある。そのことをホロコーストが明らかにしたのだ。」コロナ禍の中でもその瞬間は浮かび上がる。歴史を学ぶことは未来と主体的に取り組むことに繋がる。2020/09/27

圓子

13
旅行の予習に。「自由・民主主義は制度だけでは維持できない」という言葉が重い。ホロコーストが自由・民主主義社会を基盤にして行われたこと、忘れてはならない点である。多数決=民主主義というのは短絡的なのであって、多数決で進むからこそ少数派を踏みにじってはならないのだ。2017/05/06

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