集英社文芸単行本<br> 生者のポエトリー

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集英社文芸単行本
生者のポエトリー

  • 著者名:岩井圭也【著】
  • 価格 ¥1,870(本体¥1,700)
  • 集英社(2022/04発売)
  • ポイント 17pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784087717921

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内容説明

“詩”は人をつよくする――。トラウマを抱え言葉をうまく発することができない青年・悠平が、急きょ舞台で詩を披露することになり……。(「テレパスくそくらえ」) 最愛の妻を亡くした元気象庁技師・公伸は、喪失の日々のなかで一編の詩に出会う。(「幻の月」) 学習支援教室の指導員・聡美と、ブラジル出身の少女・ジュリアの心を繋いだのは、初めて日本語で挑戦した詩だった。(「あしたになったら」)……ほか、人生の大切な一歩を踏み出す、その一瞬を鮮やかに描いた全6編。逆境のなかで紡がれた詩が明日を切り拓く、心震わす連作短編集。

目次

舞台
緊張
学習支援
外国語
青春
野性時代フロンティア文学賞

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

いつでも母さん

171
【逆境のなかで紡がれた詩が明日を切り拓く心震わす連作短編集】帯の誘い文句にふらふらと・・心震わすはどうだろう?場面緘黙症の佐藤の詩は手段でもあった。そこから始まり妻を喪った山田やブラジルから来たジュリアの詩を経て、最後の『街角の詩』で上手く纏めた感じ。ジュリアの学習指導員・聡美の詩も良かった。岩井さん、こんなのも綴るのね。2022/05/27

みっちゃん

151
絞り出すように吐き出されたことば。過去と訣別する為に。または大事なものの存在を忘れないように。明日もまた生きてゆく為に。私の貧弱な感性では、その比喩とか意味とかよくわからなかったり、何となく気恥ずかしくて真っ直ぐに見れなかったり、なんだけど。「本人が気づかないうちに、言葉が駆け巡って、この世界を少しだけ良くしてる」知らない誰かの力や勇気になっているとしたら、それはすごいことだよ。「触れれば火傷するような炎でも歌声は焼き尽くせない。重機で振るうハンマーでも言葉は潰せない」私の心にも染み込む。2022/06/11

みかん🍊

110
小説は好きだが詩はあまり読まない、ポエムというと揶揄されるイメージがある、しかし街には詩が溢れ知らない間に耳にしている、詩を朗読する事によって生かされる人たちその詩によって影響を受けた人たちの連作短編集、人と会話する事の出来ない若者が溢れる心の叫びを詠んだ詩を人前で朗読する事によって生きる、内緒で詩を書いていたのを勝手に読まれ馬鹿にされた恋人に詩できっぱり別れを告げる、詩によって影響を受けたそれぞれの心の叫びを吐き出す為に詩を使ってもいいのだ。2022/09/28

J D

92
 短編が次の作品へ次の作品へと繋がっていく。その繋がりの淡い感じが美しい。「詩」というものを普段はあまり意識しないんだけど、この作品は詩の持つ力強さに気づかせてくれた。生きる力やなんの変哲も゙ない日常がある詩。それらが読む者の胸に迫ってくる。岩井圭也さんの作品はいつも驚かされる。今回も堪能しました。特に、「最初から行き止まりだった」は、タイトルからして詩的で良かった。2024/01/24

(C17H26O4)

87
詩を日頃ほとんど読まない。全く書かない。物語も含め朗読の習慣もない。けど。ここで書いている言葉、文章。単に自分がそのときに思ったこと。鍵のかかっているところで書いているのではなくてこうやって誰かに見える形で書いているのだし、自分の中から自然に出てきたり、または取り出したりして書きつけているものと思えば。朗読ではないけれど、広義のポエトリーなのかもと思う。岩井さん、以前いくつか読んだが、だんだん合わなくなり追うのをやめた。でもこれはよかった。困ったことに6編全部に泣いてしまったよ。2022/12/15

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