小学館文庫<br> 羊の国の「イリヤ」

個数:1
紙書籍版価格
¥1,078
  • 電子書籍
  • Reader

小学館文庫
羊の国の「イリヤ」

  • 著者名:福澤徹三【著】
  • 価格 ¥1,078(本体¥980)
  • 小学館(2022/04発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784094071337

ファイル: /

内容説明

この男、絶体絶命! 悪夢のような小説。

食材偽装を告発し経営を刷新しようとした役員への協力を疑われ、子会社に左遷された50歳のサラリーマン、入矢悟。
食品加工工場の過酷な業務に耐えかねて本社への復帰を図ったが、冤罪での逮捕をきっかけに解雇され、家庭は崩壊する。
さらに悪徳プロダクションの罠にはまった大学生の娘に助けを求められるが、歌舞伎町のプロダクションを訪ねたその日、娘に渡そうとした最後の有り金を根こそぎ奪われる。
働き口を求めて、留置場で同房だった男に聞いた自動車修理会社に出向いてみると、今度は経営者が自殺を装って殺害される現場に遭遇してしまう。
入矢もその場で殺されそうになるが、娘を救い出したいと必死に命乞いをして、半年だけ命の猶予をもらう。
「きょうは十月十三日だ――あんたの寿命は、長くても来年の四月十三日までってことだ」
そこにいた殺し屋、四科田了は、あらゆる常識を超越した男だった。四科田の指示どおりに動く日々が始まった。

残された日々で娘の行方を突き止め、救出することはできるのか。そして、四科田から逃げのびることはできるのか。
中盤からの目くるめく展開は圧巻の一語に尽きる。一気読み必至のエンターテイメントだ!

※この作品は単行本版として配信されていた『羊の国のイリヤ』の文庫本版です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

GAKU

25
久しぶりの再読だったので、しがないサラリーマンだった入谷の変貌ぶりを、 初読の時と同様に楽しめました。特殊清掃業の西岸、哲学的な殺し屋四科田など脇を固める登場人物も良かったです。このような小説大好きです。 2025/08/08

Walhalla

23
主人公の50歳サラリーマンが、不運にも人生を転げ落ちます。前半からずっと過酷な状況が続いて読み手も疲弊しますが、それは後半に入ってもどんどん加速しますね。著者の「Iターンシリーズ」を、もっとヘビーに、さらにダークにしたような内容でした。ちょっと哲学的な部分もあったりしますが、『平和が絶対的な正義なら、それを勝ちとるためにひとは戦うだろう』のくだりは、なんだか説得力もあって、一体誰が悪者なのかと思ってしまいます。2024/06/13

Katsuto Yoshinaga

17
左遷に冤罪、解雇に離婚と一家離散、消し屋に特殊清掃、半グレに広域暴力団と、現代格差社会のネガティブワード塗れの一作。序盤から「うわぁ、そんなんあかんやん」と心でつぶやきっ放しで、事象の説明でえげつないところはあるが、グロい描写やエロい描写は少なく、終盤はけっこうなカタルシスを感じさせてくれる。徹夜本という帯の惹句は誇大ではなく、娯楽小説として強調されているが、解説氏が書いているように教養小説の面白さも充分で、ノワールとしての出来もイイ。「50過ぎのおっさんの覚醒」という要素に違和感を抱かない方はぜひ。2022/05/15

NAOAMI

14
主人公の入矢は内部告発への関与を疑われ子会社の食品工場へ。パワハラ・セクハラ・苛烈な労働環境に異を唱えると元同僚らに嵌められ児童ポルノ嫌疑で留置場。家族にもアッサリ切り捨てられ散々な前半。こっちも泣きたくなる、同世代だけに。その後は、殺し屋四科田に出会い余名宣告、死体処理含む「特殊清掃」に明け暮れ、これでもかと裏稼業に没入。娘を囲ったヤクザもの相手の死闘は絶体絶命の繰り返し。神出鬼没の四科田に救われながらラストステージは曰く付きの食品化工場。出来すぎながらもケリをつける巧さと四科田語る哲学にも惚れる一冊。2023/04/05

ソフィア

12
たぶん自分とはあまり合わなかったせいか、読むのにとても時間がかかってしまいました。特に前半はイライラがつのってしまいました。いつからどんでん返しが来るのだろうという期待一心で読み進めましたが、最後はスカッと!!!とまで行かず、心残りです。2024/06/25

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/19472830
  • ご注意事項

最近チェックした商品