フューチャー・デザインと哲学 - 世代を超えた対話

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フューチャー・デザインと哲学 - 世代を超えた対話

  • 著者名:西條辰義/宮田晃碩/松葉類
  • 価格 ¥3,300(本体¥3,000)
  • 勁草書房(2022/04発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
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  • ISBN:9784326154814

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内容説明

将来世代のための社会を作ろう、しかしそのためにはどうすればよいのか。こうした課題に対して「仮想将来世代」の導入による対話を模索してきたフューチャー・デザイン。そして未来に関して豊富な思索と議論を積み重ねてきた哲学。両者の出会いから、未来を予測し、未来とつながり、未来と対話するために必要なことを問い直す。

目次

はしがき

はじめに[西條辰義・宮田晃碩・松葉 類]
 1 フューチャー・デザインとは何か
 2 将来世代とは何か
 3 フューチャー・デザインの特徴
 4 本書が取り組む課題は何か――各章の内容

第一部 〈未来を予測する〉

第1章 フューチャー・デザイン×哲学[西條辰義]
 1 我々は何をしてきたのか
 2 なぜ将来失敗は起こったのか
 3 FDとは?
 4 FD実験
 5 市民の皆さんとともに
 6 これから

第2章 「自分自身のため」とは何か?――マルティン・ハイデガーの示唆と世代間対話の可能性[宮田晃碩]
 1 はじめに
 2 自分自身のためとは何か――問題の導入
 3 私たちの本質は「実存」である
 4 私たちは世界に埋め込まれて、自分のために存在している
 5 「非本来性」と「本来性」――私たちは自己決定の可能性をもつ
 6 「歴史性」という条件――私たちは具体的な物や場所から可能性を受け取る
 7 物や場所への気づかい――将来世代との共生へ向けて
 8 おわりに

第3章 円環と直線の交点――わたしたちは現在をどう引き受けるのか[佐藤麻貴]
 1 はじめに
 2 不確実性に対峙する「態度」という問題――宗教か、科学か? 過去か、未来か?
 3 直線的時間概念の呪縛――過去から現在へ、現在から未来へ
 4 時間と空間――不確実性のひろがり
 5 おわりに

第4章 仮想将来世代と「無知」――群盲、部屋のなかの象を評す[太田和彦]
 1 序 論
 2 未来についての無知の扱い方――先行研究(1)
 3 「未知の既知」を拡大させる抑圧と急き立て――先行研究(2)
 4 「故意の盲目」の受け入れ方――先行研究(3)
 5 未知の既知を言表する方法としてのFD
 6 未知の既知を言表する方法としてFDを用いる場合の注意点

第5章 労働と余暇の未来――ケインズの未来社会論を手掛かりに[百木 漠]
 1 AI+BIによる革命?
 2 AIの発達と雇用の縮小
 3 ケインズの予言
 4 労働からの解放はユートピアかディストピアか
 5 AI+BIかWSか?
 6 貨幣愛の克服
 7 結 語

第二部 〈未来とつながる〉

第6章 将来世代への責任――ハンス・ヨナスの思想[戸谷洋志]
 1 はじめに
 2 問題設定
 3 テクノロジーの本性をめぐる分析
 4 将来におけるテクノロジーの価値
 5 責任という原理
 6 将来の予見
 7 恐怖に基づく発見術
 8 将来の可能性への責任
 9 むすびにかえて

第7章 対話篇 住む時代の異なる人たちの間の関係とはどのようなものか、どうすれば上手くやっていけるか[廣光俊昭]
 第一幕 先行世代は後続世代に責務を負っている
 第二幕 異なる各世代は共通の利害を持っている
 第三幕 では、どうしたらよかったのか

第8章 将来世代への同感――ヒューム、スミス、その先へ[宇佐美誠・服部久美恵]
 1 同感の道徳哲学
 2 道徳的理性主義 対 道徳感覚説
 3 ヒュームの共感論
 4 スミスの同感論
 5 同感をめぐる理性と感情

第三部 〈未来と対話する〉

第9章 将来世代との対話の倫理――レヴィナス哲学を手掛かりに[松葉 類]
 1 はじめに――将来世代との対話の困難
 2 レヴィナスの他者論
ほか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

takao

3
ふむ2024/06/10

Ohe Hiroyuki

1
本書は、現代の私達が、いかにすれば、将来世代のことを考えることができるのかを執筆者それぞれの見地から書いた作品である。▼学際的に多くの志ある方が集い、一つのテーマを考えること自体が有意義であるし、さらにそのテーマがフューチャー・デザインという話題であることは、集った著者の志の高さと気合を感じるものである。▼かなり内容が多岐に亘るため、一読するのは結構難儀するが、著者達の誠意に、自然と読書が進む。▼重要でありながら、なかなか考える機会に乏しいテーマであるため、皆様におかれましては一読をお勧めしたい。2021/11/05

odmy

0
フューチャーデザインという取り組みによって本当に将来世代について考えた事になるのか、みたいな哲学的前提に関する哲学研究者たちの論稿を集めた本。ただ、正直なところ、あまり得られるものはなかった。将来世代を演じても、それは結局は現在世代の恣意的な想像力で演じているだけなので、本当に将来世代と対話したことにはならないのではないか、という私の疑問は解消されなかった。「演者として将来世代が実際に目の前にいるから切迫感があるんだ」という議論もあったけど、別に目の前にいる人に対していつも切迫感を感じるわけではないし…。2025/04/23

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