シュタイナーの思想とホリスティックな知

個数:1
紙書籍版価格
¥5,500
  • 電子書籍
  • ポイントキャンペーン

シュタイナーの思想とホリスティックな知

  • 著者名:河野桃子
  • 価格 ¥5,500(本体¥5,000)
  • 勁草書房(2022/04発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 1,500pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784326251544

ファイル: /

内容説明

シュタイナーの思想は1900年頃を境として、アカデミックで哲学的な前期思想から、神秘主義的な後期思想へと転換した。本書はシュタイナーの後期思想を中心に再検討。シュタイナーの思想を教育実践と接続し、シュタイナー教育実践の背景にある「自由と倫理の両立」に向かう思想と、そのための教育観を捉え直すことの意義を示す。

目次

はしがき

序 章 本書の目的
 1.問題の所在――シュタイナーの後期思想の位置づけをめぐって
 2.前期思想と後期思想の関係――シュタイナー自身の評価と先行研究の整理
 3.本書の課題

第1章 シュタイナーのシュティルナー解釈に見る「世界自己」としての「私」という観点
 1.前期シュタイナーによるシュティルナー評価と後期思想の接続という問題
 2.「思考一元論」に基づくシュタイナーの認識論と「世界自己」
 3.「世界自己」としての「私」を倫理的世界秩序につなぐ「倫理的個人主義」
 4.「世界自己」への「発達」を導く「道徳的想像力」と〈教育〉
 5.「世界自己」に向けた〈教育〉の手段としての後期思想

第2章 「世界自己」の実現に向けた〈教育〉とそのための〈神話〉
 1.「倫理的個人主義」の実現に求められる不可知論の克服という課題
 2.〈教育〉の方法の模索――哲学的手法から神秘主義的手法の採用へ
 3.同時代人の「神話」への関心とシュタイナーが〈神話〉に込めた期待
 4.〈神話〉の〈教育〉的機能とは

第3章 〈神話〉による〈教育〉(1)――「想像力」と問い直しによる認識の拡張
 1.後期思想における「私(自我・自己)」の三重構造
 2.シュタイナーの再受肉論と「個人(Individualitat)」
 3.シュタイナーのキリスト論と「高次の自己」
 4.後期思想における「認識の階梯」
 5.〈教育〉を通じた認識の拡張の内実とは

第4章 〈神話〉による〈教育〉(2)――「一体となって知ること」による感情の拡大
 1.感情の拡大を通じた自己認識の変容
 2.「一体となって知ること(Sich-Einswissen)」
 3.「ホリスティックな知」としての「一体となって知ること」
 4.後期シュタイナーの歴史観における思考の変遷と意識的思考の保持

第5章 〈神話〉が可能にする「ホリスティックな知」――アナロジーの伝達機能に着目して
 1.「この私」の枠をゆるめること
 2.アナロジーの伝達機能
 3.〈神話〉におけるアナロジー
 4.「この私」の確保への配慮と「私」の「ホロン的階層」構造

終 章 「ホリスティックな知」による〈教育〉と教育
 1.〈教育〉のメディアとしてのシュタイナー後期思想
 2.教育において「ホリスティックな知」を考えること
 3.シュタイナー後期思想の再評価へ

引用・参考文献
あとがき
人名索引
事項索引
初出一覧