内容説明
少しばかり飲むというの程つまらないことはない――。酒豪で鳴らした文士が、自身の経験をふまえて飲み方から各種酒の味、思い出の酒場、そして禁酒の勧めまでユーモラスに綴る。全著作から精選した究極の酒エッセイ全21編。文庫オリジナル。
巻末エッセイ・野々上慶一
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケー
17
今年出版された吉田健一さんの「酒」にまつわるエッセイ集。実は初めて知った名前だったのだが、吉田茂の子供と知ってビックリ。驚くほど文章が綺麗で読みやすい。ホントに上手い人って文章に余計な比喩がなくて明快かつ短文なんだよなぁ。吉田さんはまさにその明快さが際立っている。洋酒の章もあるがどちらかというと日本酒に関する話が多めで嬉しい。「酔い」に関する考察も大真面目に綴っていて面白かった(笑)2017/12/07
TSUBASA
16
酒豪としても知られた吉田健一氏の酒にまつわるエッセイを集めたもの。だいぶ時代が違うから今の感覚で読んでるとちょっと違和感を覚える。ウイスキーや焼酎を下等な飲み物ととらえてるところとか。『酒の精』とか何が言いたいのかよくわからないのもあったけども、一番滑稽だったのは色々な観点から酒の害悪を伝えようとしてもお酒は良いものだと結論付けてしまう『禁酒の勧め』。2023/07/02
ブリーゲル
14
駄文。インテリであろうが、吉田茂の息子であろうが、文がひどい。内容はスカスカ、文章が難解。ウイスキーをディスりすぎ。当時の日本のウイスキーはそれだけ酷かったのだけは分かった。2018/05/17
たっきー
9
積読本。タイトルに惹かれて買ったと思うのだけど、面白くはなかった。観念的というのか…実際にお酒を飲んでいるはずなのに、飲んでいて美味しい!という感覚が伝わってこないからか?魅力的な文章とは思えず。著者が吉田茂の息子というのも、こちらを読んでから知った。2021/03/21
...
6
村上春樹の小説で「ウイスキーを飲んでいると不思議と頭の底が冴えてくる」、だの「ウイスキーを飲んでから本を読んでいた」、だの書いてあって、酒飲んで頭が冴えるwhat?酒飲んで本読むとかwhat?などと思っていた。吉田健一のエッセイを読み、酒を飲んで考えることは取り止めがなく、一つ一つの文章は明晰であっても全体を通しての取り留めのない感じが拭えず、かといって不快かといえばそうでもないという、いわばグルーヴ感が出てきたりする。なるほど吉田健一の文体が酒酔いのようなのだ。2020/04/04