沖縄米軍基地全史

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沖縄米軍基地全史

  • 著者名:野添文彬
  • 価格 ¥1,870(本体¥1,700)
  • 吉川弘文館(2022/03発売)
  • ポイント 17pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784642059015

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内容説明

在日米軍基地面積の七割以上が存在する沖縄。なぜ米軍基地が沖縄に集中し、今日まで維持されてきたのか。沖縄戦から現在に至るまでの通史を描き出し、各時期の東アジアの安全保障体制のなかで米国・日本・沖縄社会が基地をいかに位置付けてきたかを検討する。普天間基地移設や日米安保など、いまだ課題を多く残す問題の歴史的淵源を知るための好著。

目次

「沖縄基地問題」とは何か―プロローグ/沖縄米軍基地の形成 沖縄戦からサンフランシスコ講和へ(沖縄戦と基地建設の開始/米国の戦後基地計画/冷戦の開始と米国の沖縄保有決定/サンフランシスコ講和条約第三条の成立)/沖縄への米軍基地の集中 五〇年代~六〇年代(米国の沖縄長期保有方針/沖縄米軍基地の拡大と現地の抵抗/安保改定と沖縄)/米軍基地のさらなる集中と固定化 沖縄返還とその後(沖縄返還合意への道/沖縄返還の実現/ベトナム戦争後の沖縄米軍基地の再編)/普天間・辺野古問題の迷走 冷戦後(冷戦終結と普天間飛行場の返還合意/在日米軍再編協議/民主党政権の迷走と尖閣問題/安倍政権と「オール沖縄」の対立)/「沖縄基地問題」のゆくえ―エピローグ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かんがく

13
沖縄の基地問題についての簡潔な通史。沖縄戦、日本独立後の占領継続、ベトナム戦争期の基地集中、返還後の基地の維持、少女暴行事件と冷戦後の安保再定義、小泉・鳩山政権への失望、オール沖縄と安倍政権の対立。やはり常に他人事。2021/01/31

二人娘の父

10
沖縄における米軍基地の存在を、日米安保史に位置づけて検討する。その試みは基地問題解決の上で多くの示唆を与えている。他の類書でも部分的に指摘されるようになってきたが、日米安保の展開のなかで、沖縄の米軍基地は、日本側からの積極的な受け入れ姿勢とそのための施策(思いやり予算など)が大きな意味をもつことが分かる。積極的従属性とでもいうべき日本政府の態度を変えない限り、この課題の根本的な解決はないことが分かる。また海兵隊についての検討も有益である。海兵隊と抑止力とはイコールとは言えない現実も私たちは知るべきである。2022/01/12

owlsoul

9
地上戦によって日本本土とは別に直接的占領を受けた沖縄。その傷跡は今もなお米軍基地という形で残されている。米政府においてはアジアで自由に使用できる基地として、日本政府においては憲法九条に基づいた安全保障の根幹として、沖縄の現状は維持されている。沖縄県民にとっての戦後とは「戦場から地続きになった時間」であり、「もはや戦後ではない」とのたまう日本本土との溝は深まるばかりだ。本書によって、沖縄の政治活動が植民地の独立運動であることが改めて理解できた。日本は独立国なのか、従属国なのか、その矛盾に向き合う必要がある。2022/09/23

チェアー

9
沖縄が基地に依存せざるを得なくしたのは、本土の日本政府であり、そこから脱却できるタイミングがいくつもあったのに、撤去を拒否したのは本土の政府だった。 要するに薬漬けにしておいて、「お前の世話にはならない」と言い始めると「薬なしで生きられないくせに」と言っているのが現在の姿だということ。 戦中も戦後も、本土は沖縄を見捨て、いいように活用してきたに過ぎない。この沖縄を見捨てるということの上に、憲法9条があった。本土の非戦、民主主義は、沖縄の戦時体制と非民主主義の上にあったのだ。2020/09/28

朝ですよね

5
沖縄は地理的な要所である。朝鮮戦争、ベトナム戦争と冷戦、中国の台頭といった国際情勢の変化と、様々な日米の思惑が重なり米軍基地が維持されてきた。米国は安全を梃子に交渉してきた歴史がある。一方で、日本は安全の破棄を交渉の梃子にするわけにもいかない。独立した防衛力の強化と自衛隊と米軍の共同促進、移設を含めた基地負担の軽減に地道に取り組むしか道はないのではないか。余談だが、米軍基地に関する書籍を複数出版している(本書でも多く引用されている)山本章子さんは著者の奥さんとのこと。2022/10/31

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