内容説明
古代の人びとは大地といかに関わり、どのような意識を形成していたのか。国(くに)魂(たま)・開発・所有と売買・禁(きん)忌(き)・天皇という五つの視点から、地方と都の人たちの大地をめぐる豊かな営みや、土地に対するユニークな信仰を追究する。大地の神霊を畏怖する「未開」な心性と「文明化」との葛藤の過程をたどり、日本人の宗教的心性のひとつの根源を探り出す。
目次
古代に大地的霊性を探る―プロローグ/大地と国魂(物実の土/大地に内在する国魂/国造と大地の支配/オオクニヌシと大地/「見る」「狩る」「食べる」)/大地の開発(開発と神霊/「文明化」としての開発/墾田永年私財法と荘園開発)/大地の所有と売買(土地所有の原理/土地売買の世界)/大地の禁忌(犯土と土公/地神を鎮める/平安貴族と大地の恐怖)/大地と天皇(天皇の身体と大地/狩猟と行幸/食国から王土へ)/大地をめぐる「未開」と「文明」―エピローグ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
糸くず
4
土地の開発や売買など古代人と大地との関わり合いから、客観的・リアリズム的な「文明」の思考と宗教的・呪術的な「未開」の思考のせめぎ合いを描き出した快著。白眉は「大地と天皇」の章。古代の天皇は自ら狩猟を行い獲物の肉を食べることで支配者の権威を示していたが、天皇の制度的地位が確立され、幼子でも天皇になれるようになった平安時代以後、「か弱き」人間である天皇と大地との接触は忌避されるようになる。つまり、統治の理念とシステムの成熟が逆に天皇を神秘のヴェールで包む結果となったのである。実に新鮮な視点だと思う。2020/06/21
takao
0
ふむ2020/09/10
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