内容説明
中世人は富や健康、呪咀の願望成就を求め、寺社は期待に応えて祈りを提供した。人々は神仏にいかに依存し、どう利用したか。社会に広がる祈りにまつわる情報網、僧侶による宗教暴力の正当化、民衆支配のための政治と宗教の連動などを探り、祈り観にみる世俗と宗教界のズレや、人々と神仏の関係を解明。現代の「無宗教」を考える手掛りを提示する。
目次
現世利益を願う―プロローグ/中世人の祈り(「富と寿」のために〈無病息災の祈り/病気になったら祈る/僧侶に頼むか、自分で祈るか/○○が叶ったら…/神仏への奉仕が大切/富を求める祈り/出世を願う/豊作の祈りは富の祈り/農業の敵を祈りで退治〉以下細目略/彗星を消す祈り/祈りのデータベース)/中世人と神仏のパワーバランス(恐るべき神仏/形式的に神仏の罰を恐れる/生活と宗教の衝突)/正当性を得るために(万人のために祈る/遠い祈り、近い祈り)/祈りとは何か―エピローグ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さとうしん
14
院政期や鎌倉時代の人々は神仏、はっきり言ってしまえば迷信をどこまで真剣に信じていたのかを、信者の側、寺院の側、為政者の側など、いろんな角度から検討する。雨乞いなど公的、政治的な祈りの結果がどう判断されたのかという話は、他の時代、あるいは他の地域での国家的な祭祀がどういうものであったのかを考える良いヒントになりそう。2019/11/24
えすてい
6
現代よりはるかに「宗教的」だと思われがちな中世日本だが、結構アバウトで「形式的な約束」に依拠してたことが感じ取れた。神仏の罰も決して信仰心の欠落から地獄に落ちるというものではないし、大義名分から僧侶が武装したり武士に与することもあった。日本人は信仰心による来世の永遠の命より、元来神仏の名を都合よく借りて現世利益でポイントを稼いで世渡りするのが得策というのが古来より染みついてしまって、これは今後も「抜け出せない」ものだと思う。2020/01/27
わ!
0
この本は、今年出版されたばかりの本である。タイトルを見て面白そうだし、サブタイトルの「宗教をめぐるホンネとタテマエ」というのも気になった。それでさっそく購入したのだが…。所属する歴史サークルには、年末特例で、会員たちが要らなくなった本を持ち寄り、オークションが開かれる。この本、私が出品した訳ではないが、そのオークションで200円で落札されていた…。この本は読み終えた、そこそこ面白かった。しかしオークションの一件で、なんだか妙に損をしたように思える本なのである。2019/12/26
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