内容説明
戦国史最大の謎、本能寺の変の首謀者。その若き日の姿を知る術はないが、将軍足利義昭に従って歴史の表舞台に登場。織田信長に臣従して、卓越した行政能力を発揮する一方、有力な軍事指揮官として各地を転戦する。連歌や茶道にも長け、織田家中随一の重臣に上り詰めながら、なぜ主君を襲撃したのか。謀反の真相に新たな見解を示し、人間像に迫る。
目次
明智光秀の足跡を辿る―プロローグ/栄達への軌跡(歴史舞台に登場するまで/義昭から信長の家臣へ)/名幕僚の誉れ(志賀郡と坂本城主/京都の政務官を兼ねて)/織田政権の枢要として(丹波平定戦と遊軍/信長随一の家臣)/絶頂から謀叛決行へ(中央方面司令官/信長の四国計略と光秀/信長襲撃)/光秀の人物像と信長襲撃の動機(経文偉武の人物/光秀と家族、そして家臣達/本能寺の変の要因)/名立たる衝撃的な事件「本能寺の変」―エピローグ/略年譜
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
さとうしん
15
早島本とは違ってオーソドックスな構成・議論となっている。関係の史料を着実に押さえ、信長の有能な家臣、歌や茶の湯に通じた文化人としての姿を描き出していく。本能寺の変の動機や背景に深く切り込んでいるのも早島本との違いだが、普段の光秀に似合わぬ計画性のなさ、織田政権下で進められていた家臣粛清という背景、そして黒幕など存在しないことを丁寧に議論している。2020/01/07
MUNEKAZ
13
派手なところはないが堅実な内容で、光秀に関する現時点での知見を知るにはちょうど良い一冊。茶の湯や連歌に傾倒した文化的素養や織田家臣の中でも屈指の実務能力がよくわかり、信長に重用されたのも納得というところ(重用というか、信長の人使いが荒いだけにも見えますが…)。また藤田達生先生の足利義昭黒幕説がここでもフルボッコにされており、なんだか可哀そうにも思えてきます。2019/12/03
nagoyan
13
優。出自は不明ながら連歌を嗜むなど土岐文化圏、朝倉文化圏で培われた教養が信長家臣となってから、京、大津という伝統的先進文化地域の施政者として役立った。また、大和検地を主導し、寺社勢力間の紛争を適切に裁決するなど事務官僚としても優秀。他方、戦国武将としても叡山、八上城などの殲滅戦を指揮するなど冷酷非情ながら、丹波平定に力を尽くし極めて優秀であった。これほど先の見える男が何ゆえ本能寺に至ったか。本書は慎重ながら、佐久間追放や四国情勢を背景に不安不信心理にあった光秀が斎藤利光の使嗾にのったと観測する。2019/11/30
フランソワーズ
8
義昭・信長家臣時代の政治・軍事を時系列的に追いながら、ところどころに吉田兼和との交流や文芸活動を記述(特に連歌・茶会に関しては逐一詳解しています)。そして本能寺の変については陰謀説や怨恨説、野望説ではなく、主因としては四国政策の転換としています。ただ、計画性がないとか、秀吉との差異とかは少々結果論的な考察に感じられました。2021/10/10
どら猫さとっち
6
今年の大河ドラマ「麒麟がくる」の主人公・明智光秀の謎の出生から、あの本能寺の変の真相まで、光秀の生涯と謎に迫る一冊。光秀は我が県にゆかりのある武将。また謀叛人というレッテルを長らく張られていたが、近年評価が変わっていることもあり、注目度を上げている。教養人として名高く、頭がキレる、しかし冷酷な一面もある。同時に光秀は羽柴(豊臣)秀吉には勝てないがための悲運のまま、生涯を閉じた。それでも、光秀は戦国を駆け抜けた武将のひとりであることに違いない。比較的読みやすいので、光秀を知るには最適な書といえるだろう。2020/01/30
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