近代日本の就職難物語 - 「高等遊民」になるけれど

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近代日本の就職難物語 - 「高等遊民」になるけれど

  • 著者名:町田祐一
  • 価格 ¥1,870(本体¥1,700)
  • 吉川弘文館(2022/03発売)
  • ポイント 17pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784642058285

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内容説明

高学歴だが定職に就いていない、優雅に見える「高等遊民」たち。近代日本社会はいかに彼らを生み出し、どう向き合ってきたのか。当時の就職事情を教育・産業から構造的に捉え、日本特有の「縁故」採用の成り立ちや高学歴者の思想と政府の対応など、就職難問題の実態を描く。「いい会社に就職する」のはあたりまえなのか、現代にも通ずる課題に迫る。

目次

就職事情の今昔―プロローグ/就職ことはじめ(近代の職業選択へ/就職する高学歴者/就職難の発生)/日露戦争後の就職難(増加する「職業未定又ハ不詳」/就職の悲喜こもごも/卒業後の高望み?)/「高等遊民」問題へ(「危険思想」の不安/職業紹介所と「高等遊民」/「教育ある遊民」の処置問題)/大戦景気の影響(大戦景気と就職への好影響/好景気の中の学校増設/学校が紹介したけれど)/昭和初期の就職難(『大学は出たけれど』/就職哀話/就職戦線の内幕)/知識青年の行方(事後的な政策対応/自力救済的解決策の限界/さまよう知識青年/就職はしたけれど)/就職難の歴史から学ぶ―エピローグ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

義視

2
政治家に読んでほしい。歴史から学ぶべし。2022/02/17

田中峰和

1
高学歴者のパイが小さい19世紀末までは、学閥縁故、個人縁故があれば比較的スムーズに希望通りの就職ができた。だが、20世紀に入り、学卒者が急増し、日露戦争後の不景気とも重なり高等遊民、高等失業者が巷にあふれた。就職難は、当時危険視された社会主義運動と関連付けられ社会不安を招くようになってしまう。実際、社会運動に携わったものは、定職を持たないものが多く、大逆事件関係者にも高学歴者が多かった。戦後の学卒者急増に備え、江副氏が開発した就職のビジネスモデルによって、若者の失業率は抑え込まれた。今は低学歴受難なのか。2016/09/05

穀雨

0
近代日本では主に日露戦争後と昭和初期の二度発生したという就職難や、当時の就職活動のようすなどが紹介されている。私もことし就職活動を終えたばかりなので、大変興味深く読んだ。2017/11/23

Zhong Dun

0
明治時代に大学や高校、専門学校などの高等教育が整備されてから就職は学閥と縁故が中心となり、採用試験などをあるものの結局現代までこのシステムが受け継がれている。 そして、景気悪化により高等遊民や就職難民が出現するが一時的な景気浮上により抜本的な対策が取られていないまま、問題が先送りされているように感じた。 紳士協定など決めても、青田買いはなくならないし、卒業年度や学歴などの格差はなくならないのだから、通年採用や卒業後数年間は猶予期間を設けるなどもう少し採用の多様性を持たせてもよいのではないか。2017/05/07

ぞだぐぁ

0
明治からWWⅡにかけての学歴持ちに比重を置いた就職難の話。男女ともあり、女性への枕強要や縁故採用の比重の多さなど暗い面も。就職できない高学歴者が共産主義へ動き警戒されるところとか現代のISの勃興などに通じる話も。去年は転職の就活でひいひい言ってたので結構身につまれる。2016/07/11

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