内容説明
日本ではなぜ家庭と仕事の両立が難しいのか、どうしてキャリアを築けないのか……。女性キャリア研究の第一人者が、日本の女性と仕事にまつわる数々の「なぜ?」を一から問い直す。日本の労働構造、法制度、教育、ジェンダー、企業の対応まで、この一冊ですべてがわかる「女性と仕事」入門書の決定版! Google、P&G、資生堂など先進企業の実践例や、最新データも多数掲載。
目次
はじめに
第一章 アメリカと日本の「静かな革命」
第二章 労働経済理論とその見落とし
第三章 ジェンダー革命と出生率の回復
第四章 なぜ女性は仕事を辞めるのか
第五章 男女格差のメカニズム
第六章 転職しづらい日本の労働市場
第七章 教育と女性の就業
第八章 企業の法対応の功罪
第九章 非正規労働と女性の貧困
第十章 男性へと拡がる格差
第十一章 意識の壁に挑む
第十二章 ダイバーシティ&インクルージョン
おわりに
参考文献
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
katoyann
20
日本の女性の就労に関する実態を分析した本。放送大学のテキストを編集した。2015年に女性活躍推進法が成立したが、2026年までの時限立法であり、女性の管理職に占める割合は1割台と低迷している。本書では、女性の賃金が上昇しない要因を性別役割分業やそれに基づく税と社会保障制度の仕組、または企業の雇用慣行に求めている。現在の格差社会の特徴は、非正規雇用の急激な増加による貧困層の極端な貧困化にあり、これが女性の就労及び生活設計の大きな課題になっているという。状況を掴む意味では勉強になる一冊である。2023/06/03
とよぽん
18
労働経済学者である大沢真知子氏による、現代日本の労働環境と意識を分析した本だ。女性が働きやすい社会に・・・と政策やら企業の就業規則やら、世間の動きは一応ある。しかし、いろいろな統計資料から暴かれる現実は、違う。東京医大の女子の点数操作も、男性社会の勝手な暴挙だ。大沢先生の目指すような、21世紀の働く女性像が少しずつでも実現していくように・・・やっぱり意識改革が必要だ。2018/08/03
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