皇帝のいる文学史 - 中国文学概説

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皇帝のいる文学史 - 中国文学概説

  • ISBN:9784872595048

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内容説明

中国文明を根底で規定している要素は何か.それは?政治と言葉,?自然と人為,?家族と地域である.本書は,ジャンル別に時間系列に従って作品を網羅する従来の叙述の方法を排し,このキーワードがどのようなかたちで中国文学に生かされているかを,宮廷の詩歌,自然と芸術,家族愛や恋愛という軸に従って作品を配列し分析する.中国の漢詩や文学に親しむと同時に,今日のわれわれの世界認識につながる視点が獲得できる.

目次

まえがき
第1部 国家と個人
第1章 言語と権力
第1節 天の言葉 王の言葉
第2節 朝廷と言語
第3節 官僚=文人の宿命
第4節 文学と権力批判

第2章〈私〉の文学
第1節 家族の表象
第2節 幼少年期とその追憶
第3節 故郷・田園と老いの日常
第4節 〈私〉の極限-文学と狂気

第2部 事実と空想
第3章 史書と小説
第1節 「史」とはなにか
第2節 歴史の文体
第3節 「小説」の誕生
第4節 『南柯太守伝』-唐代伝奇小説の展開(1)
第5節 『枕中記』-唐代伝奇小説の展開(2)
第6節 異化と解体-唐代伝奇小説の展開(3)

第4章 家族の物語
第1節 「長相思」の系譜
第2節 焦仲卿の妻の物語
第3節 柳殻の物語
第4節 柳殻の末裔たち


第5章 人為と自然
第1節 隠者の世界-アンチテーゼとしての生
第2節 隠者の棲みか-隠逸と自然
第3節 別世界への夢想-仮想世界の構築
第4節 日常生活の拡充-趣味化する生

あとがきにかえて