内容説明
犯罪から食欲、記憶から感情までを扱い、生理的仕組みを解明し日常的な行動の改良を目指す――。ひと口に心の学問というけれど、その世界は深くて広い。講義形式で心理学を体験できる入門書。
目次
ガイダンス
第1章 認知心理学──「記憶」という不思議なしくみ 竹原卓真
記憶の導入
二重貯蔵モデル
処理水準モデル
実験室から日常へ
文脈依存効果
気分一致効果
凶器注目性効果
名前は思い出しにくい
毎日見ているのに思い出せない
フラッシュバルブ記憶
感情と記憶
まとめ
第2章 臨床心理学──不安や恐怖はどこから来るのか? 石川信一
臨床心理学とは
不安と恐怖
古典的条件づけとオペラント条件づけ
代理学習と情報処理
社会的要因
生物学的要因
生物‐心理‐社会モデル
臨床心理学の実践
クライエントさんとの関係性を構築する
「心」は読まなくてよい
面接法・検査法・観察法
計画を立てて行動に移していく
支援を一人一人に最適化する
まとめ
第3章 感情心理学──表情は をつくか? 藤村友美
感情と表情
メラビアンの法則
表情の成り立ち
表情から感情を読み取ることはできるのか?
本当に心から笑っている?──演技した表情の見抜き方
表示規則
行動生態学的アプローチ
顔面フィードバック仮説
おわりに
第4章 犯罪心理学──「普通の人」が暴力をふるう時 毛利真弓
誰にも身近な問題
世界は暴力だらけ
暴力は日々の関係性の中から生まれる
ルシファー効果
暴力に対する神話
好きが暴力に変わる時
性行為における同意
非行・犯罪行動変化を促す
まとめ
第5章 生理心理学──「脳内報酬」の強烈さ 畑敏道
オペラント条件づけと「正の強化」
「正の強化子」は脳内報酬系の活動によって生まれる
神経細胞に関する簡単なおさらいと神経伝達物質
脳内報酬系で使われる神経伝達物質
ほめられると脳内報酬系が活動する
報酬系の活動を行動で測定する
薬物依存の恐ろしさ
あなたも依存症?
最後に
第6章 行動分析学──「やる気」は存在しない 大屋藍子
行動分析学とは?
行動分析学が行動をターゲットにする理由
行動分析学は問題解決を考える
行動分析学はじっくり観察する
行動分析学は社会に表明する
行動分析学を生活の中で使う
講義のまとめ
第7章 食行動の心理学──食欲とおいしさは何で決まるか 青山謙二郎
底に穴がありチューブが付いた皿
大きな皿から食べる
お昼ごはんのことを覚えているか
おいしさとシカク
お皿でおいしさが変わる
おわりに──紙上体験からリアルな心理学部へ 中谷内一也
引用文献
執筆者紹介
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
ehirano1
けんとまん1007
ハルト
タバサ