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内容説明
終戦からわずか3日後の1945年8月18日、内務省警保局から全国の知事に秘密の指示が発せられた。それは、進駐軍向けの性的な慰安所を速やかに設けよという指令だった。副総理が要請し、のちに総理大臣となる池田勇人主税局長が口利きして資金を調達したと伝えられる特殊慰安所RAA。日本人客は入れないその場所で働いていたのは誰だったか。RAAが閉鎖され、街に出た女性たちが国民から疎まれることになったわけとは。占領下にあった敗戦国、その裏側史を活写する。
目次
はじめに
第一章 治安と貞操
内務省からの無線通牒
慰安所設置指示の背景
国体護持への不安
進駐軍への不安
誰が慰安所を作らせたのか
設置は閣議決定だったのか
第二章 国が作った占領軍慰安所
一 RAAの結成
警視庁から正式な指示
RAAの業務
結成宣言
公費の出どころ
警視総監の自己正当化
二 女性集め
「進駐軍慰安の大事業に参加する新日本女性の率先協力を求む」
治安のための道具
政府のお金でやる会社
三 慰安所の開設
小町園の開業
RAAの特別待遇
押し寄せる米兵
第三章 「特別女子従業員」の仕事
一 昭和の〝唐人お吉〟
自殺した元タイピスト
「特殊慰安施設協会」世話役の説明
新日本女性が担った〝大事業〟の内実
続々と設置されたRAAの施設
二 甘言、泣き落とし、ウソ、連れ去り
日本人は立ち入り禁止
警察が主導した横浜
「女性たちを泣き落としにかけて集めまして」
「耐えがたきを耐えて、全日本婦人の盾となる」
「客は内外人を問わず均しくその需要に応じること」
慰安婦の収入
三 日本政府に裏切られた〝お吉〟たち
ほぼ同時代の、当事者たちの記録
各地の公的記録に見えるRAA
「御指摘の文書につきましては公式に引き継ぎがなされておらない」
第四章 立ち入り禁止
一 見て見ぬふりの米軍
問題は米本国の世論
性病の蔓延
占領軍人による強姦事件
報道されない米軍人の事件
二 オフ・リミット
性病予防の努力は日本政府機関
米本国で問題化、公娼廃止へ
警視庁の忖度
増える私娼宿
放り出された占領軍慰安婦
東京・日比谷公園、京都・円山公園
なぜ日比谷公園か
ラク町お時
パンパンのインタビュー
三 狩り込み
一般女性を拘束、強制性病検査
「街娼の正しい数を調べることは困難」
「貞操観念を捨てた女と軽蔑しないでほしい」
「はじめは嫌だったがすぐに慣れた」
四 アメリカンモード
モンペから洋装へ
アプレゲール
復興とパンパン
第五章 誰が街娼になったか
一 街娼の実態調査
酌婦という抜け道
平均的な結婚年齢より若い
長女が多かった
家族は娘の仕事を知っていたか
街娼のくらし
高い学歴
客を誘う街娼
二 街娼と世間
街娼の前職
「やけくそで」
街娼の収入
三 インフレと食糧不足
闇を食わない犠牲
闇米なしでは死ぬ時代
米よこせ運動
四 遊郭と街娼、世間の眼の差
「遊郭・娼妓」必要、「街娼・パンパン」不必要
世間の眼
基地の近くの子どもたち
母娘でパンパン
五 近現代日本人にとっての売春
芸娼妓解放令の抜け道
廃娼運動の高まり
売春防止法の制定
第六章 戦争と性犯罪
一 日本軍と慰安婦
東京裁判
日本軍の略奪・強姦
石川達三『生きてゐる兵隊』即日発禁
従軍記者の虐殺と慰安所の記録
国内の産業戦士にも慰安所
二 各国の軍隊と売春
ドイツ強制収容所の売春施設
ソ連領内での独軍
仏での米軍
ベルリンでのソ連兵
旧満州開拓団の女性が迫られた選択
第七章 真実を伝えること
進駐軍用慰安所の意味
時系列の中の事実
自己責任論の誤り
参考文献
感想・レビュー
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やいっち
ばんだねいっぺい
松本直哉
Isamash
ののまる
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