ちくま文庫<br> 輝け!キネマ ──巨匠と名優はかくして燃えた

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ちくま文庫
輝け!キネマ ──巨匠と名優はかくして燃えた

  • 著者名:西村雄一郎【著者】
  • 価格 ¥825(本体¥750)
  • 筑摩書房(2022/03発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
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  • ISBN:9784480437471

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内容説明

日本映画の黄金期を支えた、巨匠と名優たち。小津安二郎と原節子、溝口健二と田中絹代、木下惠介と高峰秀子、黒澤明と三船敏郎。ゴールデンコンビによる数々の名作。その誕生の裏に隠された壮絶な人間ドラマとは? NHK第2「カルチャーラジオ」で好評を得た「日本映画の黄金期を支えた監督とスターたち」を大幅に改稿した、文庫オリジナル。

目次

第一部 小津安二郎と原節子
第1回 戦前・戦後のアイドル
日本映画史の隠された謎
女優・原節子の誕生『ためらふ勿れ若人よ』
日独合作映画に主演『新しき土』
兵士たちのピンナップ・ガール『上海陸戦隊』『指導物語』
戦後民主主義の象徴『わが青春に悔なし』『青い山脈』
第2回 小津調の確立
小津のルーツは伊勢商人
なぜ小津は老成したのか?
小津調の始まり『晩春』
ロー・ポジションか? ロー・アングルか?
アグファ・カラーの赤の色『彼岸花』
原節子を抜擢
原節子を切望『麥秋』
砂浜シーンの火花
結婚のウワサ話『めし』
第3回 伝説の創建
小津映画リトマス試験紙説『東京物語』
究極の愛の形
渡された永遠の時間
紀子の覚悟
「しょうじ」という影
繰り返されるモチーフ『東京暮色』『秋日和』『小早川家の秋』
原節子の号泣
原節子引退の理由『忠臣蔵』
なぜ二人は結ばれなかったのか?
原節子を支えた影の人物
第二部 溝口健二と田中絹代
第1回 下層階級の女を描いた溝口
女を観察する冷徹な目
大女優を罵倒『瀧の白糸』
山田五十鈴と依田義賢『浪華悲歌』『祇園の姉妹』
新藤兼人・溝口への旅『愛妻物語』
第2回 演技開眼した田中絹代
筑前琵琶のスターに
トーキー第一作に主演『マダムと女房』
溝口健二からのオファー『映画女優』
溝口健二の演出法『まあだだよ』
『西鶴一代女』で頂点
第3回 溝口と絹代は関係があったのか?
声が違う!『山椒大夫』
『月は上りぬ』事件
「小説・田中絹代」の功罪
新藤に直接質問『ある映画監督の生涯』
新藤兼人と熊井啓の描く性
演出家としての尊敬『サンダカン八番娼館・望郷』
第三部 木下惠介と高峰秀子
第1回 出征を見送る母の哀しみ
黒澤とライバル視『花咲く港』
裕福な漬物屋が実家
伝説のラスト・シーン『陸軍』
母を奪った戦争への怨み『はじまりのみち』
第2回 デコの渡世日記
五歳で子役デビュー『母』
子供時代のトラウマ
黒澤明との恋の行方『馬』
木下惠介との邂逅『破れ太鼓』
キャラクターの逆を行く演出『お嬢さん乾杯!』
日本映画カラー第一作『カルメン故郷に帰る』
第3回 木下惠介と黒澤明の比較論
木下惠介はモーツァルト
叙情と非情のテクニック『二十四の瞳』『日本の悲劇』
複雑な女の心理『女』
明暗を分けた映画の作り方
自作をアーカイブしていた合理性
念願の映画「戦場の固き約束」
高峰夫婦の流儀
第四部 黒澤明と三船敏郎
第1回 二人はいかにして出会ったか?
黒澤のバカヤロー!『蜘蛛巣城』
『羅生門』での鬱憤
カメラマンになりたい
見るからにヤクザ『銀嶺の果て』
サムライのイメージを定着『醉いどれ天使』
第2回 黒澤明・苦境の時代
黒澤プロ設立の理由『隠し砦の三悪人』
黒澤天皇としての伝説『天国と地獄』
最初で最後の監督作品『五十万人の遺産』
がってん騒動『風林火山』
黒澤=三船の集大成『赤ひげ』
「暴走機関車」の食い違い
『トラ・トラ・トラ!』事件
三船敏郎の舌禍事件
四騎の会を結成『どですかでん』
黒澤監督と会った!
自殺未遂の理由
第3回 三船は黒澤の分身
海外映画におけるミフネの頂点『レッド・サン』
シベリアの大地へ『デルス・ウザーラ』
三船の表敬訪問
パリにおける〝キュロサワ〟
モスクワ国際映画祭
その後の黒澤明
死の陰り
戦国武将のなれの果て『乱』
わがまま爺の愛らしさ『まあだだよ』
三船の晩年『スター・ウォーズ』
三船君、また会おう
まとめ
参考文献
あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

kinkin

87
昭和の名監督、小津安次郎、溝口健二、木下恵介、黒澤明の映画に出演した女優と三船敏郎の映画俳優として、私生活などを絡めてまとめた本、個人的には小津は「晩春」「秋刀魚の味」、溝口健二は「近松物語・木下恵介は見ていないし、黒澤明は「蜘蛛巣城」と「天国と地獄」がお気に入り。田中絹代は、「サンダカン八番娼館」がよかったな。今はDVDでいつでも観れるが、やっぱり映画館で見るのが一番だと思う 。ただ小津の映画は、眠くなるのが難。静かな眠りにつけるけど。2025/01/03

まこみや

19
映画という芸術は、つくづく監督と俳優との奇跡的な出遭いがあってこそ名作となるのだなあ。第一部の小津安二郎と原節子にしても、個々のエピソードはほとんど周知のものであり、二人の関係は作家や評論家によって様々に解釈されてきた。しかしこの度の西村さんの解釈が僕にとっては一番自然ですっと腹に落ちた。他の三つの関係もいずれもさもありなんと思わせる。監督と名優を、個人としてではなく、両者の関係のなかで捉えることで、その人物の人間的特質とその映画の本質を説得力をもって描き出している。予想以上の収穫を感じた本だった。2021/07/10

ロマンチッカーnao

16
昭和の映画全盛期を彩った、小津安二郎と原節子、溝口健二と田中絹代、木下恵介と高峰秀子、黒澤明と三船敏郎という映画監督とスターの関係性を中心に語った本なんですけど、想像の数倍読み応えありました。映画が娯楽の中心だった時代。今はアニメやお笑いが隆盛を誇っていても、いつかそれも終わる時が来るんだろうなって思いながら読了。映画愛に溢れた本でした。2022/01/02

へへろ~本舗

5
巨匠と名優、4組の出会いと別れについて。2022/03/28

Gen Kato

4
小津と原節子の関係の「解釈」は西村氏の『殉愛』で読んでいたので知っていたけれど、溝口と田中絹代に関しての新藤兼人解釈に疑義を呈したところ、高峰秀子と東海林太郎「お父さん」との関わりについての「新事実」にうなる。おもしろい。三船黒澤も読みごたえあり。小津&原コンビの一冊だけでなく、ほかのコンビについても一冊ずつ書いて欲しいなあ。2021/12/19

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