創元推理文庫<br> 過ちの雨が止む

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創元推理文庫
過ちの雨が止む

  • ISBN:9784488136109

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内容説明

大学を卒業し、AP通信社で記者として働くジョーは、ある日、田舎町で起きたジョー・タルバートという男の不審死を知らされる。プレスリリースには凶行の疑いがあると書かれていた。死んだ男は、ジョーが生まれてすぐに姿を消した、顔も知らない父親かもしれない。ジョーは事件に興味を抱き、その町へ向かう。判明したのは、男が実父である可能性が高く、多数の人々の恨みを買っていたことだった。ジョーは真相解明に挑むが……。家族の秘密に直面する青年を情感豊かに描く、心揺さぶるミステリ。バリー賞など三冠に輝いた『償いの雪が降る』続編。/解説=若林踏

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みっちゃん

163
またジョーに会えて嬉しい。就職もして、毎日きちんと生きてる。でも彼がこれからも人生を送っていくのに、そのままなかったことには出来ない事。顔も知らない父親の事。そして母親との確執の事。作者がこういう結末を用意してくれて、本当に良かった。教会でのシーンは思わず涙ぐんでしまう。ついついネガティブになったり、欲が出たり、調子に乗りすぎたり「おいおい、何やってんの⁉️」ツッコミ入れたくもなるけれど肝心の時には人間として全うで正しい事を選び取れるジョーが好きだ。二転三転のラスト、ミステリーとしての面白さも健在。2022/09/20

ちょろこ

134
「償いの雪が降る」からの続編の一冊。ジョーの実の父かもしれない男の不審死。興味と共にその男の死の謎を解き明かそうとするストーリー。今回は丸ごとジョー。ジョーをこれでもかと言うぐらいに綿密に描き、読ませてくれた。謎解きの傍ら描かれるあの過去とそして彼を取り巻く現在、次第に明らかになる家族模様。特に母との問題に向き合う姿はジョーと共に心揺さぶられる感覚で読み応えあり。変わらずそばにいてくれるライラと弟ジェレミーの存在が、支えが実に良い。ジョーの随所での正直な気持ちも実に人間らしくて良い。また一歩、成長かな。2022/06/06

えにくす

122
前作から5年。通信社で働くジョーは、生後直ぐに姿を消した父親が殺された事を知り、現場の町へ向かう。そこで父が巨額の遺産を継いで、彼が相続する可能性を知る。ジョーは真相解明に挑むが。今回は人間ドラマが熱く、それに絡む問題が次々に発生。中盤の教会の告白では、感動のシーンが読者を待っている。遺産と浮気で調子に乗ったジョーが、重大なピンチに陥った!果たして恐るべき事件の犯人は?ジョーは無事に、億万長者になれるのか?そしてライラとの、恋の行方は如何に?前作とは一味違う面白さ。人間の成長と変化を描いた良作だ。★4.52022/08/06

エピファネイア

119
「償いの雪が降る」の続編。原題は″The shadows we hide"なので、この邦題は1作目を意識したのだろう。主人公のジョーは記者になっており、母と訣別し、恋人のライラと自閉症の弟ジェレミーの3人で暮らしている。ジョーが書いた記事が名誉棄損で訴えられたことと、ジョーと同姓同名の男が殺されたとの記事が出たことで生活は一変。殺された男はジョーの父親なのか。今作ではジョーが金に目が眩んだりライラを裏切ったりしたが、もう一度チャンスをもらえてよかったね。次作はライラが主役とのこと。早く出版されるといいな。2022/07/11

のぶ

116
「償いの雪が降る」の続編という事で、前作を思い出しながら読んだ。前作で学生だったジョーは、AP通信社の記者になって活躍し、恋人ライラ、自閉症の弟ジェレミーと3人で暮らしている。ある特ダネが頓挫し、記者生命の存続が危ぶまれている時に、自分の父親かもしれない男が殺されたというニュースが入る。母とジョーを捨てた男であり、良い感情を持っていなかったが、気になり調査に出向いた。その先には思わぬ展開が待ち受けていた。前作が大変良くできていたせいか、ちょっと物足りない部分もあったが、まあこんなものかなという印象です。2022/06/05

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