にごりの月に誘われ

個数:1
紙書籍版価格
¥1,980
  • 電子書籍
  • Reader

にごりの月に誘われ

  • 著者名:本城雅人【著】
  • 価格 ¥1,899(本体¥1,727)
  • 東京創元社(2022/04発売)
  • ポイント 17pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784488028572

ファイル: /

内容説明

時代を先取りするカリスマ経営者として有名な、IT企業の会長・釜田芳人から直々に、自叙伝の代筆(ゴースト)の依頼を受けた上阪傑。余命6カ月だという釜田とは、かつて三冊の著作を代筆した後に支払いトラブルとなり、実に十一年ぶりの再会だった。病床にある釜田を訪ね、一日一時間の約束で取材を進めていくと、これまでどこにも明かしてこなかったエピソードが出てくるのみならず、今までの本の内容に嘘があったことがわかってくる――。この依頼の裏に果たして何があるのか……。吉川英治文学新人賞受賞者が、“出版界の闇”に鋭く切り込む、驚愕のミステリ。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

226
本城 雅人は、新作中心に読んでいる作家です。本書は、タイトルからは想像出来ない内容、IT創業者自叙伝ゴーストライターミステリの感動作でした。自叙伝のゴーストライター比率は、99.9%でしょうか❓ http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/97844880285722022/07/20

nobby

138
過去に遺恨ありの成功者からの自叙伝代筆の依頼、虚偽や違和感ばかり覚える語りの意味するところは...IT企業家の振り返りという設定に、ワープロにPC-98、32ビットなど懐かしく読み進める。その一方で新事実として明かされるエピソードがどうにも曖昧や下世話に終始するのには嫌悪ばかり…かつて右腕として歩んだ人物との関係が微笑ましいだけに余計に眉ひそめるばかりで…後半に連れてやっぱり迎えたきな臭い展開で物語のテンポは一気に上がるものの、驚愕とか新境地との噂のラストは…上手いとは思うけど期待とはちょっと違ったかな…2022/08/05

タイ子

107
ゴーストライターの上阪傑が過去にゴーストとして3冊自伝を書いたIT企業の釜田に再び依頼され書くことに。釜田は余命宣告され、最後の自伝となる語りはこれまでに出版した自伝と異なる部分も多く、上阪はとまどいながらも明らかになっていく釜田の過去に惹かれていく。釜田が起業の最初に出会った男・和泉簾晴。2人の友情と過去のエピソードがこれまで語られなかった自伝に大きく関わってくる。その裏に隠された自伝の真実とは?ワープロからパソコンに変わっていく時代がすごく懐かしい。ITの変遷、出版界の裏側を描いたミステリ作品。2022/06/08

aquamarine

90
余命6ヶ月のIT企業の創業者・釜田芳人から自叙伝の代筆を依頼されたフリーライター・上坂傑。彼のゴーストライターをしたことは以前にもあったが、今回彼は当時聞いていたものとは違う過去や警察沙汰になった過去なども告白する。彼が死の間際に自叙伝をだそうとする意味は?彼の周りの人間の心情は?…IT業界の恐ろしいほど早い変遷は自分の目でも見てきたことなので彼や仲間の苦労や勝負は読んでいて懐かしく楽しい。人物の関係が想像できるころにはひたすら先へ先へ、そしてすっかり乗せられた私の感情は最後に何度も上下することに。おお…2022/06/17

69
堅い文体が雰囲気を盛り上げてくれる。今までにあまり味わったことのないミステリー。良かったです2022/06/03

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/19490322
  • ご注意事項