内容説明
不動産に地殻変動が起きている。高騰化の一方、コロナによって暮らし方、働き方が変わり、住まいの価値観が変容している。こうした今、都市や住宅の新しい価値創造は何かを捉えた上で、マイホームを選ぶことが重要だ。業界の重鎮が提言する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ころこ
35
リモートワークとワンルームマンションの利用価値に目を付けた「多拠点居住」は説得力があると思います。とはいえ、東京の圧倒的優位性の程度が前提となっているだけで、既に東京都心部に拠点があれば、その有利さは変わらないということなのでしょう。全体に未来的な流行の言葉が並んでいますが上滑り感があり、若者が読んで真に受けるので罪だなと思います。他方で不動産の私権制限に対する提言は評価できます。2022/08/25
チャーリブ
29
東京五輪の選手村に建設された晴海フラッグが人気の物件になっているという。坪単価300万円前後という金額は、周辺相場からすれば割安というが普通の会社員が手を出せる金額ではない。一体どういう人たちが殺到しているのだろうか。本書によると、国内外の投資家、富裕層、パワーカップルなどらしいが、とりわけ相続対策で購入する高齢富裕層が少なくないようだ。ただ彼らの楽観的目論見は「安いニッポン」の将来を重ねて見ると大きく外れるだろう著者は分析している。空き家問題など日本の「不動産の未来」については他人事ではないかも。○2022/03/19
ほじゅどー
7
★★★★「みんなが買ったんだから自分も家を買うのがあたり前」という昭和平成脳の理屈は今後通用しなくなる。住宅ローンを手持ち資金10%程度で目一杯借りるリスク。資産価値の10%低下で債務超過するも借入金(元本)はさほど減らず事実上ローン破綻に。今は都心のマンションは投資家や富裕層の相続・節税対策のため高値に。一般庶民は多額の夫婦ローンを組んで購入してはダメ。今後、相続で中古物件の売却・賃貸が激増する。タワマン節税は破綻する。都心で進むマンション空き住戸問題。2023/04/16
でんすけ
6
著者の問題提起は幅広く、的確だ。少子高齢化、人口減少、DX、働き方改革など、社会の変化はいまや不動産のあり方を変えようとしている。都心にのオフィスビルは、DXや働き方の変化で需要が先細りする。減っていく人口は上昇し続ける住まいの値段を下げてゆく。高齢富裕層の節税のため作られたタワマンは、いままで値段の上昇を続けてきたが、高齢者が亡くなり買い求める理由がなくなってくれば、高額なリセール物件も出口を失う。適正な価格にいずれ落ち着き、社会の変化とともに新たな不動産の活用方法を模索していくことになる。2025/03/19
JYHS
3
人口減少→相続・空家問題→中古物件大量供給→物件価値下落2022/10/10