内容説明
誰が言ったか「四十にして惑わず」、
大いに悩める会社員たちの人生賛歌
四十歳で課長に昇進した阿南智弘は、着任早々に前代未聞のトラブルを抱える。
阿南の同期で三年前から課長を務める石渡泰之は、無能な上司に怒りが収まらない。
中途入社組で阿南と同い年、新任課長の和田果穂には、誰にも言えない秘密があった。
同期では唯一総務畑に進み、社長秘書となった吉本検司は、近頃なぜか社長から冷遇される。
平松透は、創業社長の息子であることを一切笠に着ず頑張るものの、失敗続きで……。
同じ節目を迎えた仲間と悩み、ぶつかりながら、阿南たちは奮闘する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
235
本城 雅人は、新作中心に読んでいる作家です。出世争いがメインかと思いきや、不惑の課長たちが、一生懸命働いているお仕事小説、連作短編集でした。タイトルは原題の方が良いと思います。 https://www.sun.s-book.net/slib/slib_detail?isbn=97843966361592022/01/08
タイ子
103
四十は不惑、だが人間何歳になっても惑うことは多い。中小広告代理店を舞台にそこで働く40歳の男女を描いた物語。仕事のピンチを運よくミラクルに変えてきた男が課長に昇進。そこでまたピンチ到来!同期より数年前に課長になった男はある日突然他部署の課長を命じられる。同期の女性課長には人に知られてはならない秘密があり…。そして、本城さんは単に40歳の働き盛りの男女を描いているだけでなく、最終章にこの会社の危機と何かと社員の味方になってくれる専務の過去を切々と描く。人は誰しも過去があって今がある、今があって未来が来る。2022/03/09
ゆみねこ
91
中小広告代理店・中和エージェンシーを舞台にした群像劇。第1話から第5話は40歳前後の社員たちの奮闘とエピソードを綴り第6話で彼らを育て見守って来た専務の過去と会社の内情が明かされる。面白かったです。2022/06/08
雅
76
ホンワカさがあるお仕事小説。サクッと読了2022/02/01
reo
58
中堅広告代理店中和エージェンシーを舞台に繰り広げられるサラリーマン出世競争、第一話「ピンチの後には」から第六話「不惑になれば」六編からなる連作短編集。お決まりの社長・常務グループと中途採用の人情派の専務派との派閥抗争がメインテーマ。ま、僕の年になればそんなのもこんなのも五十歩百歩、家族の信頼が何にも増して一番なのだが、それも後になって思えばのこと。嵐のなかで必死にもがいているときにはみえないかもね。小説だから上手くいきすぎてる感はあるが、読んで損はない。若い人頑張ってください(^^)/2022/07/26