ディスカヴァーebook選書<br> 我が愛する詩人の伝記

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ディスカヴァーebook選書
我が愛する詩人の伝記

  • ISBN:9784122045910

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内容説明

「各詩人の人がらから潜って往って、詩を解くより外に私に方針はなかった。私はそのようにして書き、これに間違いないことを知った」。藤村、光太郎、暮鳥、白秋、朔太郎から釈迢空、千家元麿、百田宗治、堀辰雄、津村信夫、立原道造まで。親交のあった十一名の詩人の生身の姿と、その言葉に託した詩魂を優しく照射し、いまなお深く胸を打つ、毎日出版文化賞受賞の名作。
(※本書は2016/8/11に発売し、2022/3/10に電子化をいたしました)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

メタボン

23
☆☆☆☆ 犀星の感性あふれるたおやかな文章が素敵な名著。津村信夫の人となりが魅力的だったのと、やせぎすな立原道造の声は堂々としていたのは意外だった。やはり堀辰雄と萩原朔太郎には深い思い入れが感じられた。2018/03/04

あ げ こ

12
自身が愛する詩人達。自身にとって最も馴染み深く、最も慕わしい彼等の姿を。その詩を読み、その詩と向き合う事で今一度会えた彼等の姿を。思い浮かべ、紐解き、評し、確認する。言葉にこもるのは静かな熱。彼等に抱く愛情の表れとでも言うべき熱。どれだけ愛していたか。どれだけ大切であったか。重さを。忘れ難さを。その熱こそが、克明に伝える。再会を果たした事で、新たに募り、こもる熱こそが。ジットリとした視線。犀星特有の。その陰湿さ、執拗さもまた凄みと化し。切実に伝える。愛する何か、愛それ自体を語る時の犀星の言葉は本当に強い。2016/11/30

12
★★★★★(犀星による11人の詩人の伝記。交友、回想録ともいうのか、各人の詩も一部抜粋されている。普段から交流の深い白秋や朔太郎、堀、立原、津村あたりの伝記も興味深いが既知もあり・・、高村、迢空、暮鳥、百田、千家、藤村あたりの伝記(犀星との関係)がある意味新鮮だった。特に高村の章の智恵子と犀星のくだりは面白い。犀星の語りにより智恵子の視線がやけに臨場感をもって強烈に伝わってくる。光太郎も暮鳥も10代以来読んでいないのでひどく懐かしいが・・詩人犀星にも久しぶりに触れてみたい気持ちとなる。) 2013/01/10

うえ

7
「ある年、放送局からたのまれ、私は釈迢空の詩を朗読放送、それに短い評釈を加えた…釈迢空の詩は巧みなことばに溢れていて、古いことばをつかっても、にわかにさえて生きて来る術を知っていた。危ない古語のつかい方が危なさをうまく融和させ、かえって鮮やかさを加えた。文学博士折口信夫の学問にあるあふれるばかりの古語比喩は、二十歳の青年詩人がもつ若い眼で、選ばれうたわれ、臆することのない大胆さで馳駆されていた。学問というものをこんな詩の形のうえに引き出して、特異の世界をつくり上げた人はまれであった」2019/02/03

あなた

7
オフ会みたいな感じで犀星はのちに親友となる朔太郎とはじめて会ったんだが、朔太郎がマントをはおってきざったらしい格好で待っているのをみてあらためて自分のファッションのダサさを知り、帰りたくなったんだという。でも、朔太郎だって娘視点からの伝記を読むとダサいひとで登場する。ダサいことのリインカネーションはつづく。2009/07/16

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