内容説明
複雑性PTSD(CPTSD)は,いよいよ国際疾病分類(ICD-11)における公式診断として登場することになり,わが国のトラウマ臨床において、そして一般の臨床においても広く使われることが予想される。
本書は,CPTSDに関する基礎知識から臨床応用までを網羅した,現在数少ない本格的な臨床書である。昨今,日常臨床において,親による心理的・身体的虐待や学校でのいじめ・体罰,各種ハラスメントなど,CPTSDと関連性の深い事態・病態が多く見受けられるが,本書は現場で対応の難しいケースについて治療への有効なヒントを提供することだろう。
さまざまな病態の背後にあるCPTSD,その適切な評価と治療的対応を詳述したわが国初の臨床書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆいまある
89
現在「境界型パーソナリティ障害」と呼ばれている人の多くが機能不全家庭で育ってることに、実は精神科医は気づいている。持って生まれた性格ではなくて環境因なのである。そこで漸く、ICD-11から、複雑性PTSDという病名が解禁されることになった。発達障害バブルの次はトラウマブームが来ると予言してもいい。それでこの本を買ったんだが、神田橋処方とか、名人芸の治療ばかりで思ったより参考にならなかった。最後にレジェンド精神科医の名論文が収載されており、下坂先生のボーダーてのは被害者ぶるから鵜呑みにすなの言葉に溜飲下がる2021/07/21
ひろか
9
雑誌での特集が散見されるようになってきたが、複雑性PTSDを冠にした書籍はは初めてか。 編者である原田誠一氏の論文集+複雑性PTSDの詳しい著者ラインナップ+レジェンドの過去論文まとめといった感じの構成。2021/03/13
de_pa
5
複雑性PTSDについて幅広く論じられた本である。秀逸なのは、「心的外傷論の重要性と危険性」と題し、PTSDにまつわる論文三編が収録されていることである。これが本書に絶妙なバランス、味わいを加えている。2021/05/16
ちー
2
一章が短く、複雑性PTSDに関して広くれる。BPDとの違いを明記してあるのは参考になった。この疾患の本質は【傷ついた体験を他者に理解してもらえないこと】なのかなと思った。トラウマの概念を広げすぎると、加害-被害の分断を広げてしまう。必要なことは内なる悪を引き受けていくこと。治療者としては、中立性を保ちつつも心理教育を行ない「あなたはどう思われますか」という態度を意識するとよいのかな。2021/12/09
言いたい放題
1
図書館にない2021/11/19
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