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内容説明
他人の眼が気になってしかたがない。つい心にもないお世辞を言って後悔する。弱音を吐くことに罪悪感を感じる……あなたを苦しめる感情の「正体」は、心の奥底に抑圧された“依存症”だった。本書は、現代人の心の深部のゆがみを、幼少期の親子関係までさかのぼって解明し、自然な感情のままに生きることの大切さを説き明かす心の手引書。幼い頃に家庭内の温かな心のふれあいがなかった人は、自分を抑えて周囲の期待に沿わなければ愛情を得られないと思い込んでいると著者は言う。そこで「尽くすことでしか相手と関係を維持できないのは、人から尽くされたいという激しい欲求」「外面のいい人は些細なことで不機嫌になるのは、甘えの欲求を素直に表現できない苛立ち」など、自分の中で満たされなかったものの本質に気づき、偽りの生き方をやめるヒントを具体例と共に紹介。五月病にも効果てきめん! 悩み多きすべての人に贈るベストセラーの文庫版を電子書籍化。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
189
人間とは実に難しい生き物である。価値観は相違する。自己評価の低さに苦しむ神経症的な自尊心の持ち主は、健全な人からは想像を越えているほどに驚くほど傷つきやすい。社会的には立派な大人が、心の底では無意識的に子供のままでありたい。しかしその甘えはよくないことと抑圧する。その反動形成で相手を満足させねばと努力する。願望に答えようとする。行き着く先は無気力である。自分の欲求があるにもかかわらず、ないかの如く振る舞う。心の空洞化。雨の日が悪いのではない。雨の日に晴れていると信じていることが、心を病ませていくのである。2022/06/12
Take@磨穿鉄靴
59
○○である。○○だ。と断定の表現が多い。著者には全人類の心の機微が分かっている様子で頼もしい。(半分本音で半分皮肉)。依存が結構なキーワードになっている。自分には理解出来ない事もあるけどなるほどと思う所も多々あり。他人は自分の事を不幸に出来ない。大丈夫だよ。とりあえずはそれだけ心に置いておこうと思う。★★★☆☆2019/05/16
ホークス
43
1987年刊。役にたつけど読むのに覚悟が要る本。「日常生活のさまざまな事実は、人によって全く重さが違う」「近しい人でも価値観は一人一人違う」を忘れずにおこう。“自分の中の子供”は甘えを受け入れられる事で、存在への無条件な許しを得る。それが叶えば自然な自分を生きられる=成熟。叶わなければ、許されない自分を意識から排除し、過剰な規範意識などに依存する。後付けの意識をいくら正当化しても、単純にただ生きることが辛い。著者自身の辛い経験を元に、自分を愛せるようになる道筋を語る。苦しい話だけど説得力がある。2024/04/07
morinokazedayori
30
★★★★★自分の気持ちより周りの評価が気になる人、ちょっとしたことでイラつく人、極度の恥ずかしがり屋や嫉妬心が強い人など、生きづらさを抱える人や周囲を困らせる人の根底には、甘えの欲求への強すぎる渇望があるという。自分のことをよく知り自分をいたわることが、幸せに生きるコツだそうだ。様々な対人関係のトラブルに対処できる手がかりがたくさんあった。また読み返したい。2022/07/13
Cambel
24
「親の因果が子に報い」を思い出す。祖母と父の角質、父親のモラハラやDVに近い言動、それらに文句を言えない母親は子供に父の機嫌を損なうなと子を躾ける。そして親子三代、全員外面が良い。自分はとんでもない環境で育ったのだとよくわかった。経済的に不自由しなかったし、社会人になってからも昇進したり努力が実っていたので、苦しくても辛くても幸せな部類に入るんだと、飛んだ勘違い。薄々気付いてきたので本書を読んだのだが、自分に当てはまりすぎて読むのに時間がかかった。文章は冗長で回りくどいが、読んでよかった。2017/07/21
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