内容説明
日本経済復活のフィクサーか? 廃れゆく伝統文化の守護神か?
天才ハッカーvs.金融資本主義
イランの核施設破壊プロジェクト「オリンピックゲーム」にもCIAの情報職として参加した経験を持つ天才ハッカーの黒木が、和歌山の世界遺産・熊野古道の中辺路に現れた。伝統工芸を研究する大学院生・柴田澪と出会った黒木は、彼女をある試みに誘う。彼はそれを「実験だよ、金融資本主義に抗うための」と嘯くのだが――。黒木は、金融市場が拡大し続ける世界を相手に、何を目論んでいるのか? 現在を分析し未来を予見する、興奮の知的エンタメ巨篇。
【目次】
稲妻
気前のいい客
長い長い夜
夜明けの柴田
ツタエテ TSUTAE‐TE
チャンス!
神々の黄昏
また逢う日まで
あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
み
26
ボビーさんメイン。貨幣価値って不思議です、タイトルの通り魔術に似てるかも。真行寺さんシリーズ追いついてしまった、新刊を待ちます。2024/02/24
もえたく
21
クセモノ刑事がデカい事件を引き当てる巡査長真行寺弘道シリーズのスピンオフ。真行寺を陰から助ける謎に満ちたハッカー黒木(ボビー)の生い立ちなどが垣間見れ、シリーズ読者としては興味深かった。また、無国籍な印象の黒木が廃れていく日本の伝統工芸を救う為に、得意の技能や人脈を使う展開も嬉しい。今後もますます出番が増えそうな気がします。2022/02/11
かず1号
10
巡査長真行寺のスピンオフ作品。あの黒木の少年時代と伝統工芸を応援する事業を起こしその場にいる美人に任せてしまう。 でも劇中のサブプライムローンの話の方が非常に分かりやすくて良かった(笑) なぜあんな問題になってしまったものがまともな評価を受けていたか分かった。 結局土地神話を前提にしているのが間違いということだ。本中では時々シリーズでの登場人物や事件が出てきて、改めてああそういうことかと思うことあり。もう本編の続編は出ないのだろうか?2024/02/22
Susumu Kobayashi
10
大学院で伝統工芸の研究をしていて、これはと思った木工職人のところに出入りしていた柴田澪は、山道を登っている男が自分と同じ目的地に向かっていると知って車に同乗させる。男は黒木透と名乗るが、それは数ある偽名の一つだった。やがて黒木は「金融資本主義に抗うため」と称して、柴田を動かして伝統工芸全般をバックアップするツタエテを組織する。黒木という謎めいた男はコンピュータ技術に通じており、ツタエテに巨額の資金を提供した。どこかで経済のことがわかりやすく説明されていると書かれていたので読んでみたら面白かった。2022/08/25
無添
8
天才ハッカーの黒木が和歌山の世界遺産・熊野古道の伝統工芸を用い、金融資本主義に抗うための実験を行う。2022/04/15
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