内容説明
みんなが大好きなエビとカニ。しかし、その体のしくみや行動は意外に知られていない。なぜエビ・カニは茹でると赤くなるのか。エビがプリプリの理由は? カニの横歩きの秘密は? エビ・カニとシャコやヤドカリとの違いとは? さらには何百㎞も渡りをするエビ、ハサミをパチンと閉じてプラズマを発生させ獲物を倒すエビ、毒を持つイソギンチャクをはさんで身を守るカニ等、多種多彩なエビ・カニのすごい生き方を紹介する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
kinkin
113
エビやカニについて。体の仕組みの学術的な見地は私には難しかった。しかし様々なカニやエビの驚くような生態、そして古来からの食文化についても書かれておりこちらの方は興味深く読むことが出来た。テッポウエビやクリーナーシュリンプなどの÷ほんとうにすごい。ハサミの音で人間のかがくや技術など拙いようにも思える。テッポウエビは閃光を放つ強い衝撃波を使って獲物を採る、そんな発想自体、人間は知らなかったとしたら今のおんだんかが進む地球を救うヒントは生物全体の中に潜んでいるのかもしれない。図書館本2022/02/08
たまきら
46
すご~い!エビ・カニの文化史、特徴、美味しさの秘密まで…なんでもござれ!テッポウエビのスナップ音は最近話題なので知っていましたが、これは映像が見てみたい…!早速検索。すごすぎ、このエビ!クリーナーシュリンプも面白いかった。いやそういう研究の話も最高なんですがなんといっても著者の飼っていたモクズガニのエピソードが最高でした。2023/02/11
seki
21
食材として人気の高いエビとカニを生物学的に教えてくれる書。新書ながら専門用語もどんどん出てきて、何度も挫折しそうに。しかし、時折出てくるトリビア的な知識が面白く、最後まで読めた。本書全体に流れるテーマは「なぜ、エビとカニは美味しいか」といったところか。そして、時折あたってしまう、身のない残念なカニはなぜ残念かもわかったりした。これから、エビやカニを食べる機会があったら、本書のことを思い出し、ニヤリとしてしまいそう。2022/01/22
マカロニ マカロン
19
個人の感想です:B+。古代から人間が重要な食糧としてきたエビ、カニの体と能力のすごさと、著者のエビカニへの偏愛ぶりが分かる。著者は伊勢湾沿いの農水省の研究所でイセエビを1年間飼育した後、愛情が湧きすぎて食べることができず50匹のイセエビを海に放流したという。カニは横歩きするイメージだが、実は半分程しか横歩きはしない。ズワイガニのように関節の可動域が大きい種は四方八方に動ける。足の筋肉が発達するので、人間が好んで食べる。エビは敵からジャンプして逃げるため腹の筋肉が発達し、人間の好む部位は脚ではなく腹部になる2023/07/30
寝落ち6段
19
エビとカニについて、生態だけではなく、体組織から食文化まで、ありとあらゆるエビカニの秘密を堪能できる。進化の過程で獲得した能力は、すごいとしか言えない。生物の多様性の素晴らしさを感じざるをえない。中には、飼育観察をする過程で、カニにも個性が見えるところがとても面白い。エビカニは種類も豊富で、種類ごとに能力が全然違うことにも驚きだ。普段、「美味しい」とばかりしか考えていなかったエビカニの生物としての面白さを知れたよい本だった。2023/07/16




