内容説明
「滝沢カレンは谷崎潤一郎だった!」─故きを温ねて、新しきを知れば世界が違って見えてくる。
話題作の「ツボ」がわかる痛快エッセイ!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
198
久々の高橋 源一郎です。新聞も読まず、TVも視ない割にミーハーな内容で、まるで男 林 真理子(年齢も結構近い)のようなエッセイでした(笑) https://mainichi.jp/sunday/ch200964878i/%E3%81%93%E3%82%8C%E3%81%AF%E3%80%81%E3%82%A2%E3%83%AC%E3%81%A0%E3%81%AA2022/04/05
chimako
91
なかなか面白かった。読みたい本が次々増えるのが困りもの。高橋源一郎氏は世界の名作はもとよりマンガもお好きで、ネットフィックスドラマや地デジのバラエティ番組も楽しくご覧になる。見聞が広く語彙も豊富で読んでいて飽きない一冊だった。時々毒を吐きながら丸く納める所はさすが。『カレンの台所』に始まり矢部太郎さんの『お父さんとぼく』まで、小説もノンフィクションもたくさんの本が紹介される。「世界の中心で愛を叫んだAI」では『クララとお日さま』のあらすじ紹介で胸がつまった。未読なので早速読みたい。2022/05/05
キク
71
インテリの高橋が流行りの「これ」は前の「アレ」だなと綴る。「滝川カレンは谷崎潤一郎」「半沢直樹は時代劇」「源氏くんはチャラ男」「Youは何しに日本に?は鑑真」「上野千鶴子は氷室冴子」なんと言うか、的確だ。「カレンの台所」の「積乱雲のようにそびえ立つのは、サニーレタスです」というレシピに「こんな比喩は、カレンの他には村上春樹にしか書けない」と驚嘆し「絶対に芥川賞候補にするべきだ」と言う(多分本気で)。最近は政治的な発信が多いけど、この本の高橋は久しぶりに無邪気に楽しそうしていて、読んでるこっちも嬉しくなる。2023/02/25
ちびbookworm
69
映画、アニメ、漫画、本などの話題作やある作品を読んだり観たりして、「これは。。。アレだな」と次々と別の作品とリンクしていると喝破する。ものすごく面白い。感性が若くて豊かで鋭敏で。著者初だがめっちゃ面白かった。源一郎さんにしか語れない面白さ。◆話題の本などが、時代の違う作品と不思議にもリンクしていて、より「深く」物事を考えられる。実は「過去」とか「今」ってないのかもって普遍的なことを考えさせられる。2024/08/31
とよぽん
69
あのラジオ番組を文字で読んでいるような本だ。高橋源一郎さんの読書の幅広さ、読書だけではない映画や音楽、社会、人権、生活術、もう全方位網羅している感じの教養人! そして、読みたい本がまた増えてしまう。この本は、どこからでも、どんな順番で読んでも構わない。広くて深い知性の海そのものだ。また読みたい。2022/05/28