ロスト欲望社会 - 消費社会の倫理と文化はどこへ向かうのか

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ロスト欲望社会 - 消費社会の倫理と文化はどこへ向かうのか

  • 著者名:橋本努
  • 価格 ¥3,520(本体¥3,200)
  • 勁草書房(2022/03発売)
  • ポイント 32pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784326603381

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内容説明

少子高齢化、経済力の低下、欲望消費の喪失……衰退する日本の消費文化はどこへ向かうのか。高度経済成長のシンプルな欲望に基づく消費、ポストモダンのきらびやかな記号消費を経て、日本の消費社会が生み出したユニークなスタイルとは。最新理論の紹介と共に消費研究の第一人者たちが日本の消費社会の今後を展望する共同研究の成果。

目次

序 章 消費社会はどこへ向かっているのか?[橋本 努]
 はじめに
 1 三つの消費文化
 2 近代の消費社会とその批判
 3 ポスト近代の消費社会とその批判
 4 ロスト近代の消費社会とその批判
 5 新しい消費理論の動向と現代

I 消費論の最前線

第1章 快楽としてのエシカル消費──ケイト・ソパーによる認識論的転回[畑山要介]
 はじめに
 1 エシカル消費の快楽性
 2 フクロウを守るのは誰のため?
 3 消費は意味的体験である
 4 エシカル消費は私たちの日常と地続きである
 5 定常経済とは私たちのリアリティの変容である
 6 「賢い消費」を越えて

第2章 供犠としてのショッピング──ダニエル・ミラーの人類学的消費理論[小田和正]
 はじめに
 1 供犠としてのショッピング
 2 道徳的消費と倫理的消費
 3 ショッピングの弁証法
 4 考察
 おわりに

II 家庭(オイコス)を超えて

第3章 承認としての生産=消費──新たな「プロシューマー」の生成過程[神野由紀]
 はじめに
 1 「女性の家」と手芸
 2 新しい消費文化の萌芽
 3 ソーシャルマーケット出現以降のハンドメイド
 おわりに

第4章 消費者運動の変遷と消費者団体の行方[丸山千賀子]
 はじめに
 1 消費者運動の変遷
 2 消費者団体の現在の課題
 おわりに

III 環境への配慮

第5章 「生の循環」構築のための責任ある消費者──産消提携と倫理的消費[根本志保子]
 はじめに
 1 環境消費者運動としての産消提携
 2 初期提携運動の社会経済思想
 3 産消提携における「顔の見える関係」とは
 4 「顔の見える関係」に内包された課題
 5 消費社会にとって「顔の見える関係」とは

第6章 持続可能な世界のための消費実践──海洋プラスチック問題の現状と対策[斉藤 尚]
 はじめに
 1 海洋プラスチック問題の現状と対策
 2 日本で求められる制度デザイン
 3 循環型経済における持続可能な消費
 おわりに

IV 顕示しない消費の台頭

第7章 普通を究めるくらし──無印良品が提示する現代の「用の美」[鈴木康治]
 はじめに
 1 無印良品と普通のくらし
 2 普通のくらしがもたらす消費社会の変容
 おわりに

第8章 消費ミニマリズムの倫理──〈下からの啓蒙〉が変える消費社会[橋本 努]
 はじめに
 1 消費ミニマリズムの時代
 2 ミニマリズムの諸類型
 おわりに

あとがき[橋本 努]

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Tui

15
SDGsもそうだけど、環境や生態系への配慮は、危機意識や禁欲さを動機にすると、いずれ行き詰まり、心理的な抵抗感から陰謀論として否定される傾向にある。そうでなく、環境に関わることで得られる精神的充足感や、シンプルかつ上質な生活スタイル嗜好など、なんらかの個人的な快楽の感情を動機とした方が長続きするというのは、その通りだなと。金銭的な余裕もある程度は関わるが、少なくともプラスの動機から起こる活動には継続の余地がある。…とはいえ「人新世の資本論」を読んだ後では、そんな悠長なこと言ってられないのかなとも思ったり。2021/12/08

Hitoshi.F

2
なかなか読み応えのある書物、消費社会の論文である。とある業界新聞のコラムに紹介されていたのをみて購入。そのコラムはこうきりだされていた「今年の冬はファーやレザーが流行しているようだ。とは言ってもリアルレザーやファーでなく、あえてフェイクなのがトレンド。かつては・・・」と。読了後の今、本の要所要所に貼付された付箋の数は10を超える。後半、少し学問的表現が色濃くなるような気がするが比較的気軽に読める。一読の価値あり。2022/01/31

のせなーだ

1
「消費社会=環境破壊」溢れる物と情報。買って失敗するより買わない。欲しいは今なのか、どれをどの価格で選ぶのか面倒くさい。「欲求流去」。無駄な消費を繰り返したら目が覚め、不使用な物に囲まれている。修行の目標は清貧な暮らしか。所有しない、自由なシンプルライフ、もう探しもので時間をロスするのは嫌ですから。珍しい 「Made in USA 」製品である「ピーナッツバター理論」ですか。昔から好きで買い続けているが。欲しい食べたいとかいう欲望が減少というより、もともとあいまいだったな。入るを量りて出ずるを為す。 2023/04/05

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