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内容説明
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本書は、東京都中小企業診断士協会認定「事業承継支援コンサルティング研究会」における「第2 回書籍出版プロジェクト」の成果物としてまとめられたものである。大企業を対象として実行される「両利きの経営」を中小企業において実行できないか、中小企業診断士が検討を行った。企業は、これまでの成功事業と、将来のための新規事業を併存させなければ、長期間の企業の存続はない。歴史を紐解いてみても、100 年を超える企業が少ないのは、その企業の成功事業が、未来を築くべき新規事業を潰すケースが多く、それゆえ、次の時代に適合したチャレンジャー企業にその地位を奪われてしまっているからであろう。
中小企業の場合、事業を長く存続するためには、1 人の経営者の中に2 つの座標軸が必要である。大企業に比べて経営資源の乏しい中小企業は、両利きの経営を行うことが難しいと言われる。しかし、両利きの経営を行うために経営者のリーダーシップを発揮することは、大企業より容易かもしれない。「君子は豹変できる」中小企業は、生き残る可能性が高いのである。
本書のメンバーは事業承継支援に取り組む中小企業診断士である。事業承継問題が生じる中小企業は老舗企業であるため、古い事業から新しい事業への再構築が求められる。事業承継の局面に至ると、ほとんどの老舗企業には事業再構築が求められる。そこで、事業承継支援コンサルティング研究会に所属する中小企業診断士は、事業承継を単なる法務・税務、M&A の問題と捉えず、企業経営の問題と捉える。その観点から、事業承継の早い段階から、両利きの経営に挑戦するように経営指導を行っているのである。
目次
はじめに
序章 中小企業の「両利きの経営」
Ⅰ 中小企業の「両利きの経営」
Ⅱ 未来を創る10 の視点
■第1 部 基本編 土台となる考え方
第1 章 成長戦略としての「両利きの経営」
Ⅰ 成長戦略の必要性
Ⅱ 成長戦略の要素
Ⅲ 「両利きの経営」の実践例~アマゾンの場合~
第2 章 従業員を巻き込み組織を両利きに変える
Ⅰ 従業員全員に両利きの経営の必要性を腹落ちさせる
Ⅱ 危機的状況では腹落ちさせやすいが、本業がうまくいっているときは難しい
Ⅲ 従業員とともに共通の目標に向かって邁進する
Ⅳ 従業員に経営マインドを持ってもらい、意欲的に経営に参画してもらう
Ⅴ まとめ
第3 章 中小企業の両利きをイノベーションから考える
Ⅰ 中小企業が取り入れ可能な両利きとは
Ⅱ イノベーションの型と両利きの可能性
Ⅲ どこからイノベーションを生み出すか
Ⅳ まとめ
第4 章 「見えない資産」活用で最大成果を得る
Ⅰ 「見えない資産」の把握
Ⅱ イノベーションへ向けた考え
Ⅲ 基本戦略
Ⅳ おわりに
■第2 部 4 つの視点
第5 章 新規事業を創出する5 つのステップ
Ⅰ 成功事例に共通する経営者の考え方や行動
Ⅱ 5 つのステップの重要性
Ⅲ 5 つのステップの難しさ
Ⅳ 新規事業を創出する上で気をつけるべきこと
Ⅴ まとめ
第6 章 新規事業開発によって事業再構築を行う
Ⅰ なぜ新規事業開発が必要か
Ⅱ 新規事業開発プロセス
Ⅲ 新規事業開発のための外部連携
Ⅳ 新規事業開発によって事業再構築を行う方法
Ⅴ 最後
第7 章 第二創業で先代を超える
Ⅰ 高齢化が進む中小企業経営者
Ⅱ 第二創業に取り組む前にすべきこと
Ⅲ 第二創業で両利きの経営に取り組む
Ⅳ 事業承継の留意点
第8 章 DX 戦略により競争を勝ち抜く
Ⅰ DX について
Ⅱ DX 推進のための具体的な対応
Ⅲ 両利きの経営におけるデジタル技術の活用
第3 部 外部連携・M&A
第9 章 フランチャイズ契約を活用した新規事業の立ち上げ
Ⅰ フランチャイズ契約の基礎知識
Ⅱ フランチャイズを選択すべき理由
Ⅲ どのようにフランチャイズを選ぶのか
Ⅳ 最後に
第10 章 M&A で探索を加速させる
Ⅰ 中小企業のM&A の状況
Ⅱ M&A を活用するための戦略
Ⅲ M&A は実行後がスタート
Ⅳ 成功事例から学ぶ
おわりに
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