内容説明
結婚式直前、婚約者が駆け落ち。裏切られた上に、それが社交界新聞に載ってしまう屈辱を味わった名門の娘エリカは、ひと目を忍んでひっそりと王立図書館で働いていた。そこへある日、垢抜けない眼鏡男子が「伝説の魔導書」を探しにやって来た。その手助けをしている最中、目当ての本に触れたとたんにエリカは気を失い、気がつくと眼鏡男子の家に! 彼は伝説の美しすぎる魔法使いミルチャ・アントネスクだった。ところが魔導書がらみの「竜化の呪い」にかかってしまったエリカの頭には小さな角が生えてきて……。呪われ令嬢と伝説の魔法使いによる恋と呪いのドラコニック・ファンタジア!
目次
序章
第一章 図書館の家出嬢
第二章 舞踏会の元婚約者
第三章 ブルガータ教の聖堂騎士
第四章 微笑みの暗殺者
第五章 エルデイ島の大魔法使い
終章
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
34
突然婚約者に裏切られて家にも帰れず、人目を忍んで王立図書館でひっそりと働いていた名門貴族の娘エリカ。ある日図書館で本を探すミルチャと出会い、いわくつきの古い本に呪われてしまうファンタジー。彼が探す魔導書「オルネア手稿」絡みの「竜化の呪い」にかかってしまったエリカ。意外にたくましい行動派の彼女が、呪いを解くためにミルチャと共にオルネア手稿探しと犯人捜しをする展開で、因縁の元婚約者との再会や様々なことが繋がってゆく中で育まれるミルチャとの絆、そして二人で窮地を乗り越えてみせたその結末はなかなか良かったですね。2022/03/06
よっしー
25
タイトルにひかれて手に取りました。働いていた先で現れた謎の男、ミルチャ。彼の探し物を手に取ったが故に竜の角が頭に生える呪いにかかったエリカ。誰もが存在を疑う魔法を使って、あるべき物を元の形にしていく話になるのかな。設定は壮大なのですが、その分内容が薄く感じてしまいました。そもそも…婚約破棄されたことにもっと怒るべきだと思うし、その男もぬけぬけと顔を出してくる精神が理解できなかった…。2023/09/07
ひぬ
24
突然婚約破棄され、王立図書館で働く名門貴族の娘エリカ。ある日図書館で魔導書を探す魔法使い・ミルチャと出会い、彼を手助けしているうちに間違えて発動してしまった、魔導書の呪いにより、竜のツノが生えてしまいます。一貫して悪役はいるものの、それには理由があったりと、全体的に優しい感じの物語でした。円周率がエリカにとっての魔法の詠唱になっていたのはファンタジー風の背景と裏腹に、かなり奇抜な面白い設定だったと思います。ほんのり恋愛要素もあり、物語の着地点も良かったです。2022/04/02
ぐっち
19
婚約破棄されて図書館で働くことになったヒロインが、門外不出の魔導書でさらに竜になる呪いに!占領された島の古い文化とか…割とシリアスな設定もありつつ、魔法使いミルチャとエリカのふわふわした掛け合いががよかった。2022/03/21
ナツメ
12
森りん先生の三作目ですね。すぐ読ませていただきました。理屈なく面白かったです。魔法がらみのファンタジーですが、いろいろと仕掛けがあり例によって文も読みやすかったです。何よりも主人公エリカの温かい人柄、賢さが伝わってきて内容の激しさに反してほのぼのとした温かみが伝わってきます。2022/02/21