内容説明
百年に一度、滅びの未来を回避するために行われる皇帝選。そこでは数多の候補が聖女と誓約し、皇帝の座を競う。初代聖女の末裔ながら、何の能力も持たないシルヴィア・ベルニア聖爵令嬢十三歳。彼女は家族のみならず領民からも虐げられ、今日もゴミを漁って生き延びていた。ところが……聖誕の鐘が鳴り、聖女が誕生する夜、その資格がないはずのシルヴィアの眼の奥に十字架の聖痕が発現した。密かに家を飛び出したシルヴィア。そして、運命と呼ぶべき出会いを果たすけれど……。これは聖女失格の烙印を押された少女が、最強の聖女を目指す物語。
目次
序章 少女ノ壊レタ世界
第一章 聖誕ノ日
第二章 妖魔皇ノ娘
第三章 皇帝選
第四章 聖女ノ資格
第五章 家族ノ終焉
第六章 未来ノ果テ
終章 少女ノ創ッタ世界
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
37
百年に一度、滅びの未来を回避するために行われる皇帝選。初代聖女の末裔ながら何の能力も持たず、家族や領民にも虐げられるシルヴィアが、密かに家を飛び出して謎めいたルルカと運命の出会いを果たすファンタジー。ルルカとその従魔スレヴィに鍛えられ自分の力を見出してゆくシルヴィア。シリアスベースなのにどこかコミカルで、ルルカと誓約して参加した皇帝選で出会うロゼやマリアンヌもいい感じに効いていて、何より再会した実妹の天才聖女プリメラと元婚約者のジャスワント皇子もなかなかあれでしたが、皇帝選やルルカとの関係も楽しみですね。2022/03/07
ぐっち
28
魔力がなくて放置されている聖女の末裔のヒロインが出会ったのは「お父様」。血のつながりはないけど、父として甘やかしてくれるイケメン良いですね。最弱ヒロインと最強妹のバトルも見ものです。私的にはマリアンヌ様が大好き。続きが出ても出なくてもよい終わり方だったけど出てほしい!2022/03/12
ひぬ
24
初代聖女の家系に生まれながらも何の能力を持たない主人公・シルヴィア。天才と称される妹・プリメラとことあるごとに比較され、虐げられた彼女は聖誕を祝う夜、奇しくも聖誕を祝う夜である聖眼をその目に宿してしまいます。逃げ出した彼女を救ってくれた妖魔・ルルカと共に、シルヴィアは皇帝選に挑むことになります。両親が思った以上に毒親で流石にシルヴィアがあまりにも不憫でしたが、少しズレたルルカという新たな親のもと、徐々に花開く姿が良かったです。12歳のプリメラがあまりに悪女でしたが、そこは育った環境にあり。2022/04/02
わたー
23
★★★★★美しい容姿の人外と周囲から迫害を受けていた少女とが、疑似的な父と娘になる。やっぱりこの手の作品に魂の根っこの部分を押さえられちまってるんだよなあと思うぐらい癖にブッ刺さる内容でよかった。彼女の境遇をあっという間に変えてしまうほど強いのに、千年前の初恋を過剰に美化していたり、シルヴィアの嫌がる顔を楽しんでみたりと、外見からは想像もできないほどお茶目なルルカ。そんな彼に庇護されるんだから、反発しつつも父親代わり以上の感情を持つのは至極当然で、本人はまだその感情に気づいていないのだけれども、2022/03/10
すがはら
22
面白かった。心配性を理由にしてスパルタ教育と過保護を押し通すルルカが素敵。そしてシルヴィアの余り打ち解けない態度とは裏腹の執着具合が凄く良いです。ルルカの1000年の初恋が実は聖女に手玉に取られてただけだったと分かって静かにショックを受けるとことか、シルヴィアから自分への感情を誤解してたりしないか相談したくなって慌ててるとことか、ジワジワ好きになってしまいます。シルヴィアの妹も元婚約者も人格がおかしすぎて怖いけど、早速2巻ヘ進もうと思います。2022/12/22