ちくま学芸文庫<br> 宋名臣言行録

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ちくま学芸文庫
宋名臣言行録

  • 著者名:朱熹【著者】/梅原郁【著者】
  • 価格 ¥1,430(本体¥1,300)
  • 筑摩書房(2022/02発売)
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  • ISBN:9784480097125

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内容説明

北宋時代とは、士大夫層の形成とともに中国的官僚制が確立した時代である。また、王安石の新法をめぐり、新旧両世代の対立と混乱に彩られた変革期でもあった。朱子学の大成者・朱熹が編纂したという『宋名臣言行録』(『五朝名臣言行録』と『三朝名臣言行録』の総称)は、北宋百五十年における名臣たちの言動を集録したもので、唐代の『貞観政要』と並び立つ書である。本編訳書では、明快な日本語訳と書き下し文に加え、八朝の天子の特色や登場人物の経歴、言行各条の背景を説明することで、北宋時代史としても通覧できる構成を取っている。組織での身の処し方について、名臣たちはいかなる知恵をわれわれに伝えるのか。不朽の古典がここに甦る。

目次

解説/一 中国の理解のために/二 『宋名臣言行録』の構成と「名臣」/三 『名臣言行録』のうちそと/第一部 五朝名臣言行録/第一章 太祖 宋王朝の始祖──五代から宋へ/趙普/一 盃をかわしつつ権力を手におさめる/二 北を攻めるか南を撃つか/三 投書はすべて焼き捨てに/四 幼児に位をつがせるな/曹彬/五 人前では口を開かず/六 みだりに人を殺さず/范質/七 大事に際する宰相の姿/竇儀/八 宰相は読書人たるべし/九 処世のむずかしさ/第二章 太宗 第二代皇帝──国づくりの完成/李昉/一〇 人を任用する態度/呂蒙正/一一 悪口をいわれても知らん顔/一二 どうして人材を知るか/張斉賢/一三 宰相みずからのさばき/呂端/一四 陰謀にくみせず/一五 喜怒を表にあらわさず/銭若水/一六 文武両道の達人/第三章 真宗 第三代皇帝──お祭りさわぎ/李沆/一七 先見の明は宰相の条件/一八 子孫に美田を残すな/王旦/一九 人の落度をとがめない/二〇 人を心服させるには/二一 人事の秘訣/向敏中/二二 名奉行の秘密/陳恕/二三 宋第一の大蔵大臣/二四 財務に有能な官僚/張詠/二五 情報をあつめるコツ/二六 規律はおひざもとから/二七 遺産相続の智慧/二八 智者か賢者か/二九 行動の心得/三〇 口は災いのもと/馬知節/三一 正直な武人/曹 /三二 名将のあかし/畢士安/三三 わたしは才能がない/寇準/三四 敵に背をみせるな/三五 天のお告げとお祭りの狂乱/三六 宰相のひげをふいてやる/三七 贅沢と倹約のむくい/三八 スピード出世も考えもの/高瓊/三九 兵隊にうまい米を食わすな/楊億/四〇 君子とは、小人とは/四一 一代の文豪/王〓/四二 倹約のすすめ/王曾/四三 宰相の策略/四四 子分を高いポストにつけるな/第四章 仁宗 第四代皇帝──名君なのか恐妻家なのか/李迪/四五 皇帝危篤で権謀うずまく/魯宗道/四六 先生だって酒を飲む/薛奎/四七 叛乱をおさえる自慢話/蔡斉/四八 酒はほどほどに/呂夷簡/四九 政治家のかけひき/五〇 宦官をひきずりおろす深謀/陳堯佐/五一 部下のストライキ/晏殊/五二 大奥の秘密/宋庠/五三 みずからを誇るな/五四 主人と召使のけじめ/韓億/五五 貧しき竹馬の友/程琳/五六 小を許せば大をひらく/杜衍/五七 事務処理の天才/五八 部下の悪事を防ぐには/五九 若い時は目立たぬように/范仲淹/六〇 寝食忘れて猛勉強/六一 法律か人情か/六二 部下に人材を集めるには/六三 一族のために──范氏義荘/六四 先に憂い、後に楽しむ/ 世衡/六五 辺境の名司令官/ 籍/六六 兵員削減の大英断/狄青/六七 勝がみえたら図に乗るな/呉育/六八 運の悪いこともある/王堯臣/六九 財政処理の達人/包拯/七〇 清廉と明察でなる知事/七一 賄賂のきかぬ閻魔様/王徳用/七二 戦争は議論ではない/田錫/七三 皇帝へのいましめ/王禹〓/七四 お金をもらうにも筋を通して/孫 /七五 皇帝の御教育掛/李及/七六 先人のやり方を変えぬ/孔道輔/七七 諫官のお手本/尹洙/七八 宋代文芸復興のにない手たち/余靖/七九 中国人と外国語/王質/八〇 誠実な二代目/孫甫/八一 高価な硯は役立たぬ/陳摶/八二 柳の下にどじょうはいない/胡 /八三 これぞ学者のかがみ/孫復/八四 落着いて勉学にいそしめ/石介/八五 調子にのってお先棒/蘇洵/八六 先見の明/第二部 三朝名臣言行録/第一章 英宗──薄命の皇帝/韓琦/八七 陽の当たらぬ場所でも不平を言わず/八八 下役にまかせずに陣頭指揮/八九 人はやめさせにくいもの/九〇 世の評判はむずかしい/九一 実力者のひとこと/九二 若い時は清潔に/九三 視野を大きくもて/富弼/九四 国士といわれる人物/九五 沈黙は金/欧陽脩/九六 文豪のプロフィール/九七 人は人、己は己/九八 民を治める方法/九九 金石学の祖──六一居士/一〇〇 文人あい譲らず/文彦博/一〇一 旃檀は双葉より香んばし/一〇二 わからぬ人間とつき合うには/趙〓/一〇三 常に悠然として迫らず/呉奎/一〇四 自分より親族を大切に/張方平/一〇五 戦争には弱い宋/胡宿/一〇六 原則にもとづいて事を行う/一〇七 富貴貧賤は天命/蔡襄/一〇八 福建開発の促進者/王素/一〇九 賄賂の好きな名臣/劉敞/一一〇 敵の鼻をあかす/一一一 大物は網から逃げやすい/唐介/一一二 外戚に勝手をさせるな/一一三 自分で道をきりひらけ/一一四 王安石の登場/趙抃/一一五 政策遂行の裏側/一一六 飢饉の時の地方官/呂誨/一一七 先見の明ある諫官/彭思永/一一八 正直と心の大きさ/范鎮/一一九 真の勇気とは/第二章 神宗──強い宋を目指して/曾公亮/一二〇 能吏のかがみ/一二一 老醜をさらすな/王安石/一二二 断るほど人はもてはやす/一二三 法規の確立が第一──王安石の新法/一二四 敗軍の将は兵を語らず/司馬光/一二五 大成は倦まず弛まず/一二六 大賢は大愚に似たり/一二七 仏教ぎらいの真面目人間/一二八 歴史のかがみ『資治通鑑』/一二九 小人は手にいれたものを放さない/呂公著/一三〇 人を見る目がないと/一三一 いつも心身ゆるみなく/一三二 子の心を親は知らず/一三三 自分を責めて人を責めるな/曾鞏/一三四 辞令書きの達人/一三五 出世のためにはなりふりかまわず/曾肇/一三六 天子の読むべき書物/蘇軾/一三七 壁に耳あり──王安石と蘇東坡/一三八 西湖の景勝蘇公堤/一三九 文化果つる所の文豪/蘇轍/一四〇 何でも反対はいけないこと/韓絳/一四一 御落胤は真赤な偽者/韓維/一四二 元老の呼吸/一四三 四朝の名臣/傅堯兪/一四四 本当の情報を手に入れるには/一四五 時と立場を考えよ/彭汝礪/一四六 天子に直言して退かず/第三章 哲宗と宣仁太后──熾烈な党派争い/范純仁/一四七 変死の時は気をつけよ/一四八 党派で人を罰するな/一四九 学歴を表に出すなかれ/王存/一五〇 大勢に迎合せず/蘇頌/一五一 記憶力抜群のコツは/一五二 すべては沈思熟考から/一五三 流れる水は腐らない/劉摯/一五四 人材の区別法/一五五 皇后の選び方/王巌叟/一五六 盗賊退治の名知事/一五七 天子への学問のすすめ/劉安世/一五八 生涯の指針は「誠」/一五九 天変はおそるるに足らず/一六〇 悪口を言いすぎるなかれ/范祖禹/一六一 『資治通鑑』のかげの力/一六二 女性を近づけるには若すぎる/一六三 内輪どうしの派閥争い/鄒浩/一六四 諫言のゆきすぎ/陳 /一六五 姦邪の見わけかた/一六六 流謫の中の士大夫/邵雍/一六七 だまってひきさがるな/一六八 天津橋上のホトトギス/一六九 牡丹のみかた/陳襄/一七〇 泥棒に鐘をなでさせる/劉恕/一七一 反対するにも心をつくして/徐積/一七二 居ながらにして天下の事を知る/一七三 たやすく軍事を語るな

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

中島直人

14
遼、西夏と外に脅威を感じていた宋という国の現実が垣間見られるという印象。ただ、違和感という程ではないのですが、いまいちしっくりこない、腹落ちしない。建前論、あるべき論であることが見え過ぎてしまうのか。2017/01/10

wiki

11
臣のあり方を学ぼうと手に取る。しかし朱熹が気合を入れて編纂したものではない、と冒頭の解説に記載あり、しまったと残念な思いで読了。訳文は平易に過ぎて、書き下しと比してちょっと意訳しすぎではないか、とも。一方で梅原氏の補足がたまにあり、現代中国にいかに反映されているかを語る場面多く、そこは面白い。「書不可不成誦、或在馬上、或中夜不寝、時誦其文、思其義、所得多矣」336p、司馬光。「聖賢之学、非造次可成、須在積累、積累之要、在専与勤」419p、王巖叟。学問で成り上がる世界。その学びに対する言葉、背筋が伸びる。2023/06/06

isao_key

9
本書は1986年に刊行された『中国の古典宋名臣言行録』を底本とし、誤りを正し文庫化されたもの。最近ちくま学芸文庫は、かつての(絶版)古典を新たに出版し直しているが、とてもいい試みだ。本書も2015年12月に発行、翌月に2版となっていて古典に対する需要があることがうかがえる。裏表紙に『宋名臣言行録』は、北宋百五十年における名臣たちの言動を集録したもので、唐代の『貞観政要』と並び立つ書である、と書かれている。ただ読んでみて内容的におもしろいものは少ない。欧陽脩、王安石、蘇軾については多くページを割いている。2016/05/02

tharaud

6
北宋の官僚たちの味わい深いエピソード集。故事に学ぶということを昔の人々はしてきた。ネットニュースや流行りのビジネス書を読むよりゆっくりこれを読んだほうがいい。精神安定作用がある。2023/02/12

Ohe Hiroyuki

6
朱子がまとめた宋の名臣とされた人々の言行録集である。原書は、この10倍くらいあるが、登場人物は、ほぼ原書の人数が採録されている▼臣下それぞれの人生の様子や、生き残るための処世術も垣間見える。北宋では科挙に合格した進士が、士大夫として活躍することが知られているが、臣下の人生を通してそのような国家体制の姿も垣間見える。▼それぞれのエピソードが一文でまとめられており、後から読み返しやすい工夫がなされている。手元に置いてよい一冊である。2022/08/28

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