創文社オンデマンド叢書<br> ヘーゲル現象学の理念

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創文社オンデマンド叢書
ヘーゲル現象学の理念

  • 著者名:細川亮一【著】
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  • 講談社(2022/02発売)
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内容説明

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【内容紹介・目次・著者略歴】
「私の著書がついに出来上がりました。しかし私の友人たちに本を贈る際にも,出版者と印刷に関わるすべての過程を支配し、しかも部分的に構成そのものを支配した同じ不幸な混乱が生じました。……本来は導入部であるこの第一部の理念に対してあなたが何を言うか、私は知りたいと思っています」(ヘーゲル)。本書はこの現象学の理念への問いに答える試みであり、三つの基本性格(体系の第一部、導入部、歴史)に定位して現象学を「三枚重ねの透かし織り」として読み解くことである。「構成そのものを支配した不幸な混乱」は精神と宗教の章の書き加えによって生じた。この混乱を取り除くことによって本書が浮き立たせた「織物=テクスト」の美しい模様こそ、ヘーゲル現象学の理念である。

【目次より】
略語一覧
序章 現象学の理念

第一章 体系の第一部としての現象学
第一節 原現象学と現象学体系
第二節 意識の経験の学
第三節 絶対知の体系と体系の現象学的危機

第二章 導入部としての現象学
第四節 論理学への導入部
第五節 無限性としての承認
第六節 理性による不幸な意識の克服と国家

第三章 歴史としての現象学
第七節 哲学史に対応する―つの歴史
第八節 感性的確信 知覚 悟性
第九節 自己意識とアリストテレス

終章 ヘーゲル哲学の地平

あとがき

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細川 亮一
1947年生まれ。 哲学研究者。九州大学名誉教授。東京大学文学部卒業(文学博士)。
著書に『意味・真理・場所 ハイデガーの思惟の道』『ハイデガー哲学の射程』『ハイデガー入門』『形而上学者ウィトゲンシュタイン 論理・独我論・倫理』『ヘーゲル現象学の理念』『アインシュタイン物理学と形而上学』『純化の思想家ルソー』『道化師ツァラトゥストラの黙示録』『要請としてのカント倫理学』など。

目次

序章 現象学の理念
一 現象学の三つの基本性格 二 構成……不幸な混乱 三 出版のトラブルとその解決 四 「第一部意識の経験の学」…… 五 夢遊病者ヘーゲル? 六 三枚の透かし織りとしての現象学
第一章 体系の第一部としての現象学
第一節 原現象学と現象学体系
一 体系的対応によって成り立つ体系 二 思弁哲学……と現象学体系 三 対応の条件と『精神の現象学』の八章構成 四 「絶対知」草稿と原現象学 五 「精神の現象学』緒論と原現象学 六 思弁哲学のスケッチと原現象学との対応 七 絶対的存在 関係 生命と認識 八 現象学体系
第二節 意識の経験の学
一 意識の構造としての知と真理 二 意識の経験 三 学としての意識の経験の学 四 イデアリスムスとしての経験 五 意識の経験の学という理念の故郷
第三節 絶対知の体系と体系の現象学的危機
一 精神の放棄…… 二 現象学と歴史哲学? 三 現象する知の学=哲学史 四 概念把握された歴史=精神哲学 五 絶対精神にその無限性が泡立つ 六 絶対知の体系 七 意識の経験の学から精神の現象学へ 八 体系の現象学的危機 九 現象学体系からエンチクロペディー体系へ
第二章 導入部としての現象学
第四節 論理学への導入部
一 ……論理学の次元 二 論理学と能動理性 三 理性は……意識の確信である 四 能動理性が自己を受動理性とする 五 実在哲学の生成 六 自然……神の叙述
第五節 無限性としての承認
一 無限性の展開としての承認論 二 承認の三つの段階 三 行為の二つの二重性 四 承認の構造 五 生死を賭けた戦い 六 一方的な承認としての主と奴 七 主の真理と奴の真理
第六節 理性による不幸な意識の克服と国家
一 ギリシア的人倫の喪失の意識としての不幸な意識 二 目標としての人倫の国 三 ヘーゲルの歴史意識 四 立法理性……による承認の完成 五 市民社会と国家 六 国家と絶対知 七 歴史の終りとミネルヴァの果 八 フランス革命の哲学
第三章 歴史としての現象学
第七節 哲学史に対応する―つの歴史
一 歴史としての現象学の理念 二 ……現象学の不可能性? 三 哲学史に……現象学 四 不幸な意識と新プラトン主義 五 理性と近代哲学 六 繰り返しとしての精神と宗教 七 理性から絶対知への移行 八 宗教から絶対知へあと一歩?
第八節 感性的確信 知覚 悟性
一 哲学史の寄せ集め? 二 感性的確信 パルメニデスの存在からヘラクレイトスの生成へ 三 知覚 レウキッボスの原子論 四 悟性 プラトン『ソピステス』 五 超感性的世界から転倒した世界へ
第九節 自己意識とアリストテレス
一 自己意識と近代哲学? 二 フィヒテの承認論? 三 生命と欲望 四 承認 五 主と奴 六 主奴論の到達点…… 七 現象学の理念
終章 ヘーゲル哲学の地平
一 ―つのまさに同一の哲学 二 近代哲学からの解放 三 ギリシア哲学 四 アリストテレス哲学 五 アリストテレス『デ・アニマ』