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内容説明
真に構築すべき「ステークホルダー資本主義」を提唱する。人類の経済活動が地球を壊す「人新世」の時代。異常気象が日常化したのは、「経済は全てを癒やす」「経済成長は常に目指すべきこと」という強欲な資本主義のせいなのか。現在の株主至上主義を是正する「ステークホルダー資本主義」を解説し、さらに「地球環境」「未来世代」を視野に入れた新たな資本主義のかたちを論じる。翁百合氏(岸田政権「新しい資本主義実現会議」有識者メンバー)推薦! 「地球と未来世代――新しい資本主義への視座を提供してくれる1冊」
目次
第1章 「ステークホルダー資本主義」への脚光
第2章 コロナ禍で感じたこと・考えたこと
第3章 「経済」を相対化して眺める
第4章 新たな視界を獲得する
第5章 気候変動がもたらす危機の時代
第6章 慎みへと回帰し居住まいを正す
第7章 現在世代から未来世代へと重点を移す
第8章 カーボンニュートラルで変わる産業と企業
第9章 「ステークホルダー資本主義2.0」における政治・政策
第10章 金融と「ステークホルダー資本主義2.0」を整合させる
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
メタボン
26
☆☆☆☆ 数多ある脱成長論には与せず、ステークホルダー(権利や意志を表明する人=利害関係者)資本主義2.0を淡々と提唱する。他者の論文や著書からの引用も著者の慧眼を感じる。ミヒャエル・エンデの「第三次世界大戦とは、ある時代が別の時代にしかける戦争」という言葉が響いた。まさにグレタ・トゥンベリの演説もそうだ。日本の国民年金を賦課方式から積立方式に移行させることがステークホルダー資本主義の一里塚というのも共感。ネイティブ・アメリカンの伝承「地球は先祖から受け継いでいるのではない。子どもたちから借りたものだ」。2022/01/30
Masahiro Tanaka
3
「ステークホルダー」といってパッと思い浮かぶのは、株主、従業員、世間、、、いわゆる「三方よし」。本書ではそれに加えて「未来世代」という時間軸の観点を付加して考えている。その前提となる環境問題に関する記述が多く、筆者も現実との折り合いについてはもやもやしているようで、帯に書いていあることとはちょっと違うな、と…。2022/06/30
志村真幸
2
著者はESGアナリスト。 本書は、SDGsの次に進むべき資本主義社会について、精緻かつ誠実に語った一冊だ。企業がいかに気候変動や貧困や格差といった社会問題に向き合うべきかを、多様で最新の情報をもりこみつつ、ていねいに説明してくれている。単純に社会責任とか企業イメージとか、結局は経済活動にはねかえってくるからというのではなく、その次の段階が明確な理由と目的をもって提示されており、非常に説得力があった。 具体的な政策もいろいろ提言されている。 こうした経済が実現できたら、本当にいいのだが。 2021/12/08
watershed
1
印象に残った記述 「強い経済をつくる・国民の食い扶持をつくる」のが目標ではなく「若者たちが生気と希望を取り戻す世の中をつくる」をステークホルダー資本主義2.0が標榜するならせれは政治の目標になる こども庁が担うべきは子供の側に立った権利の擁護と激甚な困難な中で生きる力を身に付けさせること。1.画一性が良いとの観念を捨てる、2.知識偏重から体験・感受性尊重、3.生まれた環境による不平等をできるだけ回避・貧しいから教育を受ける機会がないの解消。 2023/06/19
Go Extreme
1
「ステークホルダー資本主義」への脚光: 古くて新しい命題 コロナ禍で感じたこと・考えたこと 「経済」を相対化して眺める: 経済はすべてを癒やす 引くに引けないメカニズム 新たな視界を獲得する: 地球と社会に依存 気候変動がもたらす危機の時代: 生物多様性の経済学 慎みへと回帰し居住まいを正す 現在世代から未来世代へと重点を移す カーボンニュートラルで変わる産業と企業: グリーン・ディール 「ステークホルダー資本主義2.0」における政治・政策 金融と「ステークホルダー資本主義2.0」を整合させる2022/07/18