内容説明
誰の記憶にも残らない人生の誰にも忘れられない物語――1714年、フランスの小さな村。アディ・ラルーは、広い世界に憧れ、運命の恋人との出会いを夢見ていたが、望まぬ結婚を強いられてしまう。追いつめられたアディは、古い神々のひとりと取引し、望みどおり自由に生きる時間を手に入れる。しかし、その取引には落とし穴があった。アディは誰の記憶にも残らなくなってしまったのだ。家族からも忘れられ、世界中のだれからも消えた存在になった……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
星落秋風五丈原
43
1714年、フランスの小さな村で、望まぬ結婚を強いられたアディは古い神々のひとりと取引し、望みどおり自由に生きる時間を手に入れる。しかし、その取引には落とし穴があった。彼女は誰の記憶にも残らなくなるのだ。ところがある日、翌日も彼女を覚えていてくれる男性と出会い。時空を越えて生きられるなんてヴァージニア・ウルフの『オーランドー』のようだ。ただしオーランド―が性を変えられるのに対してアディはずっと契約時の状態-若い女性-のままで様々な時代を生きる。2022/03/15
あおでん@やさどく管理人
29
自由に生きたいと願ったアディは、古い神との取引で不老不死の体を得る。ただし、誰にも記憶されなくなってしまった…。その過酷さに押し潰されそうになりながらも、彼女はめげない。歴史の片隅にわずかな爪痕を残しながら生きること300年。2014年のニューヨークで、ついに彼女の人生は大きく動き始める。どこまでが伏線になっているのか、下巻も楽しみ。2022/04/13
しゃお
29
1714年、フランス。小さな村に住むアディは望まぬ結婚を強いられる事に。自由を得る為に古の神に祈るアディは、現れた闇と契約を結ぶ。果たして自由な時間を得る事ができたアディは、その代償として誰の記憶にも残らず記録にすら残せない永遠の時を過ごす事に。女性ゆえに縛られた価値観から抜け出そうとするアディが、その旅で得るものと失うものとは。。。2022/03/21
くさてる
18
1700年代のフランスの田舎で生まれたアドリーヌは望まぬ結婚とそれに縛られた生活から逃れるためにある存在と契約をする。それは不老不死を得る代わりに、誰にも自分という存在を記憶されず自分の所有物を得ることができない呪いだった……というあらすじ。短い断章で語られる様々な世界線の主人公の生活が面白く、読みやすい。全体的な感想は下巻にて。2022/04/30
Atsushi Kobayashi
17
最初は、な~んだという軽い読み物かなと思いましたが、かなり読み応えがあり、今年のおすすめ第2号になってます。 できれば、上下巻が1冊の方がよかったかも。2022/03/02