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内容説明
古代ギリシャ人は世界がモノクロに見えていた? 母語が違えば思考も違う? 言語と認知をめぐる壮大な謎に挑む、知的興奮の書!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
82
日本語の方言地図を見ると、黄色を「アオイロ」という地方が見られる。調査年代の古さと、回答者が当時の高齢者なので、今ならまさかと言ってしまいそうだ。本書も色と言葉の関係から、古代人の感覚についての議論を紹介する。もちろん古代人も私たちと何ら変わらない感覚を持っていた。違っていたのは、言葉のカテゴリー。文化の違いである。母語が違っていても、相手の示す概念を理解できないわけではない。説明すればわかる。ただし、思考の細かいくせともいうべき点については、母語による影響を受けるものらしい。英語を再学習してみようかな。2022/03/20
コットン
76
言語学者による世界の言語の見え方が変わる本。興味深いのは、2007年の発表では「話し手の数と音素(子音と母音の)総数のあいだには有意の相関関係がみられたという」。また、少数民族のマツェス語の認識学者的な動詞の使い方が(自分の直接体験か、憶測か、又聞きかによって個別の動詞形があるって!)面白いというか大変そうだ。『カンガルー』という言葉の謎や、同じ言葉でも国によって男性名詞だったり女性名詞だったりという違いなど、言葉に関しての知らないことを教えてくれる。2023/10/03
TATA
49
言語学の書籍は初めて読んだ。言語と思考に何かしらの関係があるのか。数世紀にわたって繰り返されてきた議論を紐解く。面白かったのは色彩にまつわる実験と、男性名詞、女性名詞の別が思考に影響があるのかという検証。結局複数の言語に精通しないとここらを感覚で掴むのは難しいけど、今や翻訳サイトの時代。これでどんな変化がこの先もたらされるのか。2022/12/16
チャーリブ
49
題名がそのまま主題となっている。19世紀の英国の著名な政治家にしてホメロスの研究家・グラッドストンは、ホメロスの作品を長年研究していてあるアイデアに取り憑かれる。有名な「葡萄酒色の海」は詩的表現ではなく、文字通りホメロスにとって海はワイン色に見えたのではないかと。これを「つかみ」として、著者は言語と現実の関係を科学史を概観しながら興味深く解き明かしていく。色認識や言語の性別の話も興味深かったが、一番おもしろかったのは自分の位置を東西南北の方位でのみ表現する言語があること。方向オンチの人には生きづらい社会。2022/08/15
Apple
48
本書を読んで最も興味深かったパートは、色彩の認識において言語が影響しているという指摘で、これはfMRIを用いた実験で推測されたことのようです。前半大部分における、「なぜホメロスのオデュッセイアでは空を青と描写していないのか」から始まる検討のところは、社会•心理学的な考察と実験が中心で、ピンと来ないところもありました。言語がレンズのような役割を果たしうるという結論であったかと思うのですが、脳が入ってきたものをどのように処理し、我々の認識がアウトプットされるのか、改めて不思議に思いました。2025/05/26




