ハーパーコリンズ・ジャパン<br> アンネ・フランクの密告者 最新の調査技術が解明する78年目の真実

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ハーパーコリンズ・ジャパン
アンネ・フランクの密告者 最新の調査技術が解明する78年目の真実

  • ISBN:9784596319272

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内容説明

『アンネの日記』を断ち切ったのは誰か?
元FBI捜査官率いるコールドケース・チームが
歴史的迷宮入り事件を徹底検証した迫真のルポ。

世界的ベストセラー『アンネの 日記』を書いた
15歳の少女を密告したのは誰なのか?

世紀の未解決事件を解明するため、
元FBI捜査官を筆頭にプロファイラー、
歴史学者、データ・サイエンティストら20名を超える各方面の専門家が結集。
最新技術とテクノロジー、プロファイリング、法医学検査、人工知能など
現代の捜査法を駆使し、真相に迫る――。

誰もが知る結末を、彼女は知らない。
“アンネ・フランクの物語”の基本的なアウトラインはほとんどの者が知っている――第二次世界大戦中、ナチスの占領下に置かれたオランダで、ユダヤ人の十代の少女が両親、姉、一家と親しくしていた何人かと共に、二年以上のあいだアムステルダムの屋根裏に隠れて暮らしていた。最後はついに密告されて全員が強制収容所送りとなり、のちに生還できたのはアンネの父親オットー・フランクだけだった。わたしたちがこうしたことを知っているのは、主として、八月のその日にナチスが人々を連行しにやってきたとき、アンネの貴重な日記が置き去りにされたからだ。(序文より)

【目次】
序文 〈追悼の日〉と自由を奪われた日々の記憶

第一部 〝密告事件〟の背景
第1章 摘発と緑衣の警官
第2章 アンネの日記
第3章 コールドケース・チーム
第4章 利害関係者たち
第5章 「あの男に何ができるか見てみよう!」
第6章 ひとときの安全
第7章 猛攻撃
第8章 プリンセンフラハト二六三番地
第9章 身を隠す
第10章 頼まれたから承知したのです
第11章 恐怖の事件
第12章 摘発の詳細
第13章 ヴェステルボルク通過収容所
第14章 帰還
第15章 対独協力者
第16章 娘たちは帰ってこない

第二部 迷宮入り事件の調査
第17章 調査
第18章 ドキュメンツ・メン
第19章 もうひとつの本棚
第20章 最初の密告
第21章 脅迫者
第22章 近所の人々
第23章 ナニー
第24章 もうひとつの説
第25章 ユダヤ人ハンターたち
第26章 V - フラウ
第27章 実質的な証拠ゼロ PartⅠ
第28章 仲間のユダヤ人のところへ行きなさいよ!
第29章 記憶を探る
第30章 フランク一家を逮捕した男、ウィーンで発見される
第31章 ミープが知っていたこと
第32章 実質的な証拠ゼロ PartⅡ
第33章 八百屋
第34章 ユダヤ人評議会
第35章 見直し
第36章 オランダの公証人
第37章 活動を始めた専門家たち
第38章 友達のあいだのメモ
第39章 タイピスト
第40章 孫娘
第41章 ハウトスティッケル事件
第42章 爆弾
第43章 厳重に守られた秘密

おわりに 幻影の街
あとがきにかえて
謝辞
公文書館と機関
用語解説
原注
参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

泰然

45
誰もが知る結末を彼女は知らない。元FBI捜査官の率いるコールドケース・チームが歴史的迷宮入事件を徹底検証した迫真のルポ。様々なスペシャリストと共に文献調査、法言語学・科学鑑定、インタビュー等による捜査の果てに読者は残酷な事実を突きつけられる。密告者の正体はわかってもアンネは帰ってこない。悲惨な時代のなかで悪夢のジレンマに陥るのは他人事ではないし、人類の背負う弱さだ。「人間の本性はやっぱり善なのだと私は今でも信じている」。決して許されることでなく、決して理解できることでない事実を前にキティは何と言うだろう。2022/06/27

ぐうぐう

40
そもそも、フランク一家が隠れ家に潜んでいると密告した人物を今更特定して、一体何になるのか、という素朴な疑問がある。その疑問にコールドケース・チーム(密告者を探し出すことを目的とした彼らの、それがチーム名だ)は「ファシズムの芽を野放しにしておくと世間に広がっていくという単純な教訓を、人々は忘れてしまっている」と前置きし、「自分たちを保護してくれるはずの社会制度を人々が信用できなくなったとき、何が起きるのか? 正しき行動の根本をなし、それを保護するはずの基本的な法律が崩壊したとき、何が起きるのか?(つづく)2022/04/15

つちのこ

35
一字一句読み込むスタイルなので、470頁の大冊はしんどかった。その割に「やっぱりなぁ…」で終わってしまった結論が歯がゆい。アンネ・フランクの隠れ家を密告したのは誰なのか…という謎を現代の専門家チームによって多方面から調査し、核心に迫っていくプロセスは執念の見せ場ともいえるが、証人のほとんどが没し、事件が風化している現状ではその努力を確証につなげることができず憶測に留まってしまう。これが歯がゆいのだ。78年前の真実の解明に辿り着けることができるのは、これからもこの先もまったくの偶然でしかないだろうと思う。2022/08/16

コニコ@共楽

29
『アンネの日記』を読書会で取り上げてから、アンネ関連の本をいろいろ手に取ってみた。その中でも、一番読むのに時間がかかったのがこの本。迷宮入りと思われた秘密が78年目に公にされた重みを感じずにはいられなかった。アンネたちの隠れ家が摘発された当時のオランダは、ユダヤ人だけでなく、すべての人が狡猾なシステムの中で、命の取引をしていたことがつづられている。”ほかの者を品物扱いし、その男もしくは女に死の運命が降りかかったとしても自分の責任ではないと思える能力が、人間には備わっているからだろう。”という文が刺さる。2023/02/03

星落秋風五丈原

29
アンネ・フランクを含めたフランク一家を密告したのは誰かをコールドケースチームが探っていく。確かにコールドケースですね。そして驚きの犯人。2022/03/21

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