角川書店単行本<br> 彼女の背中を押したのは

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角川書店単行本
彼女の背中を押したのは

  • 著者名:宮西真冬【著者】
  • 価格 ¥1,815(本体¥1,650)
  • KADOKAWA(2022/02発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 480pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784041113899

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内容説明

書店に勤めていた妹が、ビルから飛び降りた。相談したいことがあるとメールをしてきたその日に。結婚と同時に上京し平穏に暮らしていた姉・梢子は、妹に何があったのかを探るため、地元に戻り同僚たちに会いに行く。妹を追い詰めたものは何なのか? 母の過剰な期待と父の無関心、同僚からぶつけられた心ない言葉、思うようにいかない恋愛……。妹の過去を辿ることは、梢子自身の傷に向き合うことでもあって――。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

いつでも母さん

187
ここのどこかに私がいた。全部では無い。だが、確かにいつかの私がいたのだ。だから苦しいし、今なら分かるかつての自分にドキドキするのだ。親子あるある。姉妹あるある。職場あるある。あの時言えなかった言葉でも、今なら言える。いや、今言わなきゃ。事故かそれとも・・ビルの屋上から転落して意識が戻らぬたった一人の妹の真相を知るために、姉・梢子は自分とも向き合いつつ過去を辿るのだ。宮西真冬だものこのタイトルだもの一気読みだった。この書店だけではないだろう現実を私たちはどう読む?2022/03/14

モルク

136
妹がビルから転落したと連絡があり東京に住む梢子は実家に帰る。意識不明の妹は事故か、自殺を図ったのか。生まれながらに美しく誰をも魅了した妹だが、頭も要領も悪く勤めていた書店でも使えない人と言われていた。梢子は妹に何があったのか過去を探る。家事が苦手、自分第一の母、無関心な父、足手まといな妹、そんな家族から逃れるため家を出た梢子は妹の知られざる一面を見る。パワハラ、女性蔑視などの問題もあるが、この娘を思い通りにしようとする毒母がきつい。妹を知ることで自身にも向き合えた梢子、最後に少しほっとする。2022/10/08

tenori

98
宮西真冬さん初読み。面白い。ビルから転落して意識の戻らない妹と自らの行為を責め真相を追う姉の物語は単なるミステリーにとどまらない。男尊女卑で家庭に無関心な父親と発達障害を自認しながら娘たちへの期待を抑制できない母親。スタッフを省みずやりがい搾取が横行する職場での慣例的な圧力。様々な社会問題を取り込みながらも散漫にならず着地点へと誘う。各章に折り込まれる回想が読者の思考を錯誤させる巧みな構成。何よりタイトルの妙。読後に強い感慨と印象を残す。個人的にメヒィスト賞作家とは相性が良いのかもと再認識。2022/04/28

Ikutan

93
妹がビルの屋上から飛び降りたらしい。妹には自殺未遂の経歴がある。意識不明の妹を前に母親は引きこもり、父親との関係もぎくしゃく。その日の朝、妹から「相談したいことがある」というメールを受け取っていた梢子は、妹の本心を知るために彼女の周辺を探る。対照的な姉と妹。それぞれの母親との歪な関係。美貌が故の辛い過去。姉の後に入った職場での軋轢。ストーカー疑惑。想像できてしまう多くの悩み。それでも。後半ひとりの女性の証言から、少しずつ光が見えてきて...。五作目の宮西さん。今回も丁寧な心理描写に読む手が止まらなかった。2022/04/19

ゆみねこ

91
離れて暮らしていた妹がビルの屋上から落ちた。結婚と同時に東京で暮らす姉・梢子は妹が飛び降りた理由を探るため実家に戻り同僚たちに会う。妹を追い詰めたのは何か?母の異常さ、父の無関心、そして実家から逃げた梢子の後悔。かつて自分が働き妹も働いていた書店で何があったのか。希望あるラストで読んで良かった。2022/06/02

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