内容説明
「過渡の詩」は「俳句の根拠」、「世紀末の地球儀」と並び
坪内稔典の若き日の俳句評論集三部作の一冊。
いま、必読の俳句評論書として多くの評論家からも取り上げられている。
俳句を「過渡の詩」として位置づけ、正岡子規以降、問いかけることの
少なくなっていた「俳句とは?」に応える。
俳句に関心ある人の避けて通れない作品である。
目次
一 俳句、その思想
形式と思想
俳句は可能か
方法としての俳句形式
書評―[連作形態を追って]
二 俳句、その諸相
「写生」の根拠
「非空非実」の文学
発句の解体―[日野草城]
『遠星』論―[山口誓子]
『惜命』論―[石田波郷]
?ある俳人の出立―[伊丹三樹彦]
形式の不安へ―[鈴木六林男]
雑草の毒―[桂信子]
貝か具か―[藤田湘子]
枯木の幻想―[赤尾兜子]
三 俳句、その暗香
〈水温み〉の思い
幻想領土小論
泳ぐ船長
ニセアカシアの闇で
溶けつつある家
あとがき
初出一覧