内容説明
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とにかく写真が素晴らしい。そして色の名前が美しい。今までになかった「色辞典」誕生!
第3回写真出版賞大賞受賞
1枚1枚の写真が、とても工夫されて創られていて、思わず見入ってしまいます。
古代、色彩語は明(あか)・顕(しろ)・暗(くろ)・漠(あお)の四色だけでした。
やがて中国から仏教が入り色に対する認識が一変。そして、植物から染料を生み出す技を得るようになると、四季折々さまざまな色彩の変容をとらえ、そこにゆかしい色名をつけ、纏い、暮らしを彩るようになります。その多彩な色への想いや憧憬は、現代になっても変わることなく受け継がれ、大切に残され続けています。
日光在住の写真家・北山建穂の写真に現れた日本の美しい自然と生活の色たち。色名は、独特の情感を香らせます。そして色の解説もおもしろく、色への愛情が深まります。日本の伝統色を扱った書籍は多く編まれていますが、本書はその中でも新しい境地をやさしくご案内。
詩人・永方佑樹の言葉が鑑賞をリズミカルにナビゲートし、日本の伝統に照らした色への造詣を深め、四季の彩(いろどり)を季節の移ろいとともに堪能できます。
幾千とある色の中かから選び抜かれ、研ぎ澄まされた105の色が、静かに心に響きます。どうぞ贅沢な時間をお愉しみください。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひめありす@灯れ松明の火
24
金春色。朱砂色。佐伊多津万。紅掛け空。軍勝。紫陽花青。思色。乙女色。憲法色。藍鉄色。み空。焦がれ香。そひいろ。相済み茶。具墨。不言色。かちがえし。青黛。長春色。春に始まり春に終わる言葉…幻想即興色辞典と言う本を作った身としては欠かせないお勉強。写真も俳句もスタッフの中で作った何とも豪華な同人誌的な本でした。2022/03/28
にゃうぴょん
11
日本の伝統色の名前の響きと文字の魅力を再認識しました。写真も美しく何度でも読み返して楽しみたい本でした。2021/09/28
ひねもすのたり
9
思、浅蘇芳、椋実、鉄御納戸、夏虫、甕覗、焦香、不言、乙女、猩々緋、藍鉄、瑠璃、常盤、群青、萌黄、漆黒、暗黒・・すべて日本の伝統色の呼び名。 本書ではそれらを含めた105の色に105の写真をつけて解説。 色に関する本はいくつもありますがこの本の特徴は色と季節をマッチさせている点です。移ろう季節のなかで培われる独特の色彩感覚。それは感性というより私たち日本人のDNAに刻み込まれているものなのかもしれません。どの頁を開いてもその美しさにため息が出ます。撮影地のほとんどは日光市内。やっぱ日光いいわ!★52021/07/19
ぽけっとももんが
8
美しい日本の四季と、色。甕覗や猩々緋など、名前や字面からしていいなぁ。湖を吹き抜ける風の起こす波や光る雷など、一瞬を切り取った写真にもうっとり。2021/08/14
コウママ
6
和の色名が好きで気になったので図書館で借りてきた。写真がすごく素敵で、詩も良くて、説明の文章もわかりやすくてステキ。たまに添えられている俳句がぴったり。すごく気に入った一冊です。2024/04/18